世界選手権:大阪 終わりに
世界選手権:大阪、その祭典の幕がついに下りた。決勝戦で80分以上に及ぶ激戦を制し、世界選手権王者となったGrzegorz Kowalskiは、祖国であるポーランドの仲間たちと喜びを分かち合った
振り返れば、この週末に行われた戦いの数々は、どの瞬間にも情熱があり、各々の歩んできた物語が交錯する場だった。
世界選手権が組織化プレイの最高峰の舞台の一つである以上、勝利こそが最も尊い価値ではある。しかしここにいた誰もがフレッシュ&ブラッドというゲームを通じ、友情や発見、次なる戦いへの意欲など、また別の価値を見出したのではないか。
世界中の強豪たちが磨き上げてきた戦略が迸る本戦はもちろん、初心者向けの講習会やコスプレコンテスト、コーリングやバトルハーデンといった注目のイベントで会場は活気に満ち、フレッシュ&ブラッドの多彩な魅力が交錯する4日間となった。
フレッシュ&ブラッド5周年という節目に開催され、全ての参加者が一丸となって作り上げたこの週末の記憶は、きっと我々の記憶にスタッキングされていくことだろう。
本イベントが開催された11月は、ちょうど『ロゼッタ(Rosetta)』で描かれた秋の風情が移り変わるころだ。次なるセット『混転の餌食(The Hunted)』のリリースも発表され、我々もまた次なるステップへと進んでゆく。
それぞれの想いを「格納庫」へと収めて──。
日曜日-世界選手権:大阪 決勝戦
《流星のアウローラ》vs. 《祖先の記録者、エニグマ》、 Mercy Bickell vs Grzegorz Kowalski。3日間に渡る合計18回戦、いよいよ最後の一戦を迎えた。すべてがここに結実する。
Mercyは優先権をすぐに渡して試合を開始。《エニグマ》に対して賢明な一手だ。Grzegorzの《癒しの印》に対し、Mercyは《燃焼||ショック》で応戦する。Grzegorzは2枚目の《癒しの印》から《ミラガイの顕現》と続ける、攻撃はせずにデッキアウトを狙う。Mercyは《金魚草の登攀者》を使って2枚の《スナッチ》を繰り出し、Grzegorzは最初の《祝福への感謝》。長い試合になりそうだ。
Mercyの《Poison the Wel》が2枚目の《祝福への感謝》をダメージへと変えるが、素早く対応してもう1枚の《祝福への感謝》。青でダメージを受け、赤で回復。Mercyは50のライフを削り切れるだろうかか?《揺らめく燐火》と《孤光の稲妻》がその問いに答えようとする。この強力なコンボに続き《Exude Confidence》が繰り出され、Grzegorzは4枚の赤いインスタントのうち1枚を手札からプレイせざるを得ない。Mercyの猛攻に対し、Grzegorzは《宇宙の横断》でブロック。デッキに「気」がなくとも《燃焼》の効果を防ぎライフ水準を保つのが重要だと判断した。《飽くなき無秩序》により、Grzegorzのライフは25に。
続く数ターン、Mercyは攻撃を続け、《稲妻峡谷の導き》でカードを引き続ける。Grzegorzは「加護を数える」4~6枚目でライフ水準の安定を保ち、冷静に対応する。試合が長引くにつれ、Mercyが一撃で勝負を決める可能性はどんどん薄れていく。Grzegorzのライフは28で安定し、Mercyは《揺らめく燐火》を使い果たし、選択肢が限られてきた。《Exude Confidence》がGrzegorzに圧をかける。2枚目の《孤光の稲妻》がプレイされるが、これもGrzegorzがきっちりブロックする。Mercyは力を尽くし、Grzegorzのライフを12まで削り落とす。そこでついにGrzegorzが反撃を見せる。《征服の命令》だ。選択肢がなくなったMercyはしぶしぶ格納庫のカードを手放すことに。そこにはライフ回復を解決するための《Poison the Wel》があった。
Mercyは幾度も攻撃を仕掛けるが、《祝福への感謝》7枚目と8枚目がGrzegorzに安定感をもたらす。Grzegorzのライフが20で安定し、Mercyの攻撃も限界が近づいている。最後の《孤光の稲妻》が次の手札にあることを知っている彼女は、最後の一押しに向けた控えめなターンを選ぶ。Grzegorzが最後の《祝福への感謝》を引く前に攻めきれるなら、僅かな望みが残るかもしれない。しかし、最後の《祝福への感謝》でGrzegorzは29まで回復し、Mercyの望みはかき消される。彼女は《孤光の稲妻》《揺らめく燐火》《稲妻の波動》《スターフォール》《スナッチ》《光速移動》で最後の力を振り絞る。美しく力強いターンがMeercyによって繰り広げられたが、残念ながら少し遅すぎた。
Grzegorzの「超越」カードが再び登場し、彼は《霊気の盾》を使ってMercyのデッキを少しずつ削り始める。Mercyの手札は少しずつ力を失い、《霊気の盾》がポーランドを勝利に一歩一歩近づける。Mercyは《アークナイトの掌握》から《聖なる爪》を攻撃に使うも容易に防がれる。《アークナイトの掌握》《電流の結集》《スターフォール》が彼女の最後のプレイとなり、40ターン、70分以上にわたる厳しい戦いの末、手札が1枚だけとなったMercyは、潔く敗北を認めて投了した。Grzegorzに最後までプレイさせる権利は十分にあったが、Mercyは素晴らしいスポーツマンシップを見せ、避けられない敗北を受け入れた。ポーランドの歓声が会場に響き渡ったのは、Grzegorzが祝福を数え上げた瞬間だった。
日曜日-バトルハーデンまとめ
80名以上が参加したバトルハーデン。1日で決勝戦まで行われる過酷な大会は80名上の参加者を集めた。
8人の異なるヒーローがトップ8を構成するという信じられない展開で、Peter Buddensiek選手が、《エーテルのドラカイ、ケイノ》とともにトロフィーを獲得!
日曜日-世界選手権:大阪 《ルーンの血流、ヴィセライ》デッキテクインタビュー
この週末、特に注目を集めていたヒーローの一人が《ルーンの血流、ヴィセライ》だ。これまで二番手、三番手に甘んじてきたこの『秘術の隆盛(Arcane Rising)』のルーン剣士は、最新セット『ロゼッタ(Rosetta)』の登場により、一躍トップクラスのヒーローとして急速に進化を遂げている。
今回は世界選手権:大阪とコーリングの2つの大会で《ルーンの血流、ヴィセライ》を使用していた丹生 裕之 選手に、デッキの強みや構築のポイントについて話を聞いた。
ーー《ルーンの血流、ヴィセライ》にはアグロに寄せた形と、"Turtleburst"と呼ばれる《ルーン陣》を溜めながら防御に徹する形の2種類がいました。丹生選手が使用していたのはどちらの形ですか?
自分が使用しているのはアグロです。というより、Turtleburst型の「ヴィセライ」はほとんど絶滅したと思います。というのも、似たようなことを『ロゼッタ(Rosetta)』で追加された《朽ちた森の先触れ、フローリアン》がもっとうまくできるからですね。なので、今の「ヴィセライ」はもっと攻撃的な動きをするリストが多いです。
とはいえ、『ロゼッタ(Rosetta)』で《邪悪な詠唱》が入ったことで以前より安定して《ルーン陣》を作成することができるようになったので、《ルーン陣》自体は溜めやすくなっています。なので、マッチアップによってはTurtleburst型に近い動きをすることもありますよ。たとえば《祖先の記録者、エニグマ》に対してはあまり攻撃せず相手の防御リアクションを腐らせながら《ルーン陣》を溜め続ける動きをして、《血の誓約の九本剣》でバーストのターンを作るといった感じです。
ーー『ロゼッタ(Rosetta)』の《邪悪な詠唱》は具体的にどのように活躍するのでしょうか?
たとえば《戦争屋の外交術》は「ヴィセライ」にとって鬼門で、1ターンの間機能不全に陥ってしまっていましたが、《邪悪な詠唱》や《銀河のソナタ》が複数枚手札にあるような状況であれば「平和」を選択した場合でも5~6点分のダメージソースを用意できます。
また、盤面に置いておくことができるため、複数枚を闘技場に並べて《死の潮流》をプレイして大きなターンにする、といった動きも可能になっています。今日コーリングの2日目に参加していますが、実際にあったプレイとして、闘技場に6枚の《邪悪な詠唱》を溜めておいて《死の潮流》、適当な攻撃アクション(そのときは《ルーンレイジャーの群れ(赤)》)と動き、「ヴィセライ」と合わせて《ルーン陣》を14個作るターンがありました。
これがとても大きな収穫で、アグロらしく動きながら大きなターンを作るコンボ的な勝ち筋も追いやすくなっています。
ーー主要なヒーローとのマッチアップはどうですか? また、世界選手権本戦やコーリングではどのような相手と当たりましたか?
《祖先の記録者、エニグマ》に少しだけ有利です。《流星のアウローラ》はダメージレースになるので五分五分といったところでしょうか。「ヴィセライ」は速いターンに仕掛けてくるデッキを苦手としているので《ダッシュI/O》には本来不利なのですが、僕のデッキではサイドボードに防御リアクションを2種類採っているのでデッキ切れを目指すこともできます。環境トップと目されるこれらのデッキに対してそこそこ戦える、というのが「ヴィセライ」を選んだ理由でもありますね。
逆に明確に苦手なのは《目的を手懐ける者、ゼン》です。《禅の有様》を作られてしまうと《ルーン陣》のダメージも通らないですし、「ゼン」自体が速いデッキなので厳しい対面となります。《祖先との縁》が禁止されたことで、今回の世界選手権では《目的を手懐ける者、ゼン》が減ると思っていたのですが、思っていたよりも多くて自分や自分とリストをシェアしていた関西のプレイヤーはあまり勝ち残れませんでした。
もしも地元のカードショップにいる「ヴィセライ」に勝てない!と悩んでいる方がいたら「《目的を手懐ける者、ゼン》を使え!」と言ってあげたいです。
ーーサイドボードについて教えてください。
《虐殺の宣告》は主にエニグマへの対策カードですが、ゼン相手にも《禅の有様》を破壊する目的で入れます。一応、ヌゥ相手にもデッキ枚数を増やす目的で入れます。
《ルーン占い》もエニグマなど、ロングゲームを想定してくる相手に対して入れます。《ルーン陣》を溜めて大きなターンを作る動きが安定しやすくなる他、《血の誓約の九本剣》をプレイしやすくなるのもポイントです。
この2枚はアグロ相手の対策カードです。主にダッシュやアウローラを意識していますが、アウローラに防御リアクションを2枚引いてしまったりすると守りは十分でも攻めにくくなってしまいます。あくまでライフレースをしたいので、アウローラに対しては 《群青へ沈む》 のみを入れます。
秘術防壁1の枠として、《虚空のルーンのブーツ》は《苛立つ文筆家》になっているリストも多いですが、僕は《虚空のルーンのブーツ》を推します。腕装備の《アークナイトの掌握》で《ルーン陣》を出せるのは強いですし、防御値がある点も偉いと感じる場面が多く、なるべくそのままにしたいです。そのため、頭や腕と比較すると少しだけ重要度が下がると感じる足装備を《虚空のルーンのブーツ》にしています。
ヒーロー/武器/装備 | 枚数 | |
---|---|---|
《ルーンの血流、ヴィセライ》 | ヒーロー | |
《命刈りの刃》 | 1 | |
《Equipment: Crown of Providence》 |
1 | |
《Dyadic Carapace, Face Purgatory》 |
1 | |
《フィエンダルの春のチュニック》 | 1 | |
《アークナイトの掌握》 | 1 | |
《虚空のルーンのブーツ》 | 1 | |
《呪縛の徘徊者》 | 1 |
ピッチ1 | 枚数 | |
---|---|---|
《アークナイトの増大(赤)》 | 3 | |
《虐殺の宣告(赤)》 | 3 | |
《デッドウッドの哀歌(赤)》 | 3 | |
《暗黒次元への誘引(赤)》 | 3 | |
《予見された宿命(赤)》 | 3 | |
《アブラカダブラ(赤)》 | 2 | |
《邪悪な詠唱(赤)》 | 3 | |
《死の潮流(赤)》 | 3 | |
《骨鳴らし(赤)》 | 3 | |
《ルーン占い(赤)》 | 3 | |
《ルーンブラッドの饗宴(赤)》 | 3 | |
《ルーンの一閃(赤)》 | 3 | |
《ルーンレイジャーの群れ(赤)》 | 3 | |
《Runic Reckoning(赤)》 |
3 | |
《群青へ沈む(赤)》 | 3 | |
《銀河のソナタ(赤)》 | 2 | |
《Swarming Gloomveil(赤)》 |
3 |
ピッチ2 | 枚数 | |
---|---|---|
《邪悪な詠唱(黄)》 | 3 | |
《血の誓約の九本剣(黄)》 | 3 | |
《ルーンレイジャーの群れ(黄)》 | 3 | |
《誘惑への屈服(黄)》 | 3 |
ピッチ3 | 枚数 | |
---|---|---|
《アークナイトの増大(青)》 | 1 | |
《アークナイト化(青)》 | 3 | |
《ルーンの一閃(青)》 | 3 | |
《ルーンレイジャーの群れ(青)》 | 3 | |
《Sift(青)》 | 2 |
日曜日-コーリング まとめ
650人以上のプレイヤー、クラシック構築、3万ドルの賞金...
数多くの参加者がクラシックの熾烈な戦いへと身を投じ、日本からはIikubo, Kei選手がトップ4入賞を果たした。
《緋色の復讐者、アイラ》はリリースされたその日にトップ8入りを果たした!このヒーローの伝説的な旅はまだ始まったばかりだ。
しかし、最終的な勝利を収めたのは、Nikola Kramarić選手の《目的を手懐ける者、ゼン》!
コーリング優勝、おめでとう!
日曜日-チームカップの行く末
リビングレジェンドのチーム戦から始まり,各代表選手の世界選手権の結果に応じてポイントが与えられる形式で行われたチームカップは4日間休むことなく試合が続き,リビングレジェンドのチーム戦で決勝ラウンドが行われた。
決勝は,ルーマニア対マレーシアの大一番となった。
マレーシア(写真左)
Colin Tang - 《Lexi,Livewire》
Keith Yong - 《Bravo,Star of the Show》
Ji Timm Lee -《Briar,Warden of Thorns》
ルーマニア(写真右)
Suciu Andrei - 《流星のアウローラ》
Andrei Joghiu - 《Prism,Sculptor of Arc Light》
Bogdan-Andrei Oros - 《Briar,Warden of Thorns》
激戦の末、ルーマニアチームが勝利! 週末を通して粘り強く戦い、ルーマニアに初のチームカップを持ち帰ることとなった。
ルーマニアチーム、おめでとう!
日曜日-世界選手権:大阪 コスプレコンテスト ハイライト
世界選手権:大阪の注目のサイドイベントの一つが「コスプレコンテスト」だ。
各参加者のこだわりやキャラクターへの愛が込められた衣装によって、魅力的なヒーローたちが生き生きとした姿で現実の世界へと再現されている。ここでは、写真とともに彼らの情熱あふれる姿を紹介していく。
事前審査では参加者が順番にステージに呼ばれ、コスプレの「技巧/Craftmanship」と「正確さ/Accuracy」が審査される。参加者は審査員へと衣装作成の工夫やコスプレするキャラクターを選んだ経緯などを語っていた。
審査が終わると次は「パフォーマンス/Performance」の項目を審査するステージだ。このパフォーマンスは一般にも公開で、LSSステージでは非常に多くの観客に見守られながらコスプレイヤーたちが素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた。
《Arakni, Huntsman》は手に持った《虚弱症の魔本》を開いて観客に見せてくれた。そこにあったのは「LOOK UNDER YOUR SEAT(椅子の下を見ろ)」の文字。観客席の椅子の裏を見てみると《虚弱症》トークンが貼り付けられて……!?
これには観客席でパフォーマンスを見ていたJames Whiteも驚き、ギャラリーは大盛り上がり。
《目的を手懐ける者、ゼン》の鬼気迫るパフォーマンスや、この世界選手権で初めて「若者」ではない姿が公開された《真紅の復讐者、アイラ》による剣舞も披露された。
いったいどのようにして《秘術の呪詛》のコスプレを閃いたのだろうか。一見ネタ枠だが、審査員からの評価は非常に高かった。まさに発想の勝利!
『ロゼッタ(Rosetta)』リミテッドでしばしば見かける《再考のフード》。カードのイラストがそのまま現実になったようなハマり具合だ。
『ロゼッタ(Rosetta)』からは変わり種(?)の出演も多かったが、新ヒーローである《薔薇の棘、ヴァーダンス》の姿もあった。
パフォーマンスステージが終わるといよいよ審査結果が発表される。「技巧/Craftmanship」と「正確さ/Accuracy」、「パフォーマンス/Performance」の3部門、そして今回初めてコスプレコンテストに出場したコスプレイヤーの中で優秀だった者に贈られるルーキー賞。これらの各部門で優秀賞を獲ったコスプレイヤーには、プロモカードの《Taylor》と《Venomback Fabric》プロモアート版プレイマットが授与される。
見事賞に輝いたのは以下の4名だ(敬称略)。
- 「技巧/Craftmanship」部門:Juwern Teoh(《薔薇の棘、ヴァーダンス》)
- 「正確さ/Accuracy」部門:Moonlight(《Arakni, Huntsman》)
- 「パフォーマンス/Performance」部門:Ivan Teo(《目的を手懐ける者、ゼン》)
- ルーキー賞:Mao Shirota(《真紅の復讐者、アイラ》)
おめでとう!そして素晴らしいコスプレステージで世界選手権を華やげてくれたコスプレコンテスト参加者のみなさん、ありがとう!
土曜日-世界選手権:大阪 トップ8 プレイヤープロフィールとデッキリスト
Rob Catton 選手(イギリス、予選ラウンド1位)
クラシックのヒーロー:《流星のアウローラ》
1stドラフトのヒーロー:《ヴァーダンス》
2ndドラフトのヒーロー:《ヴァーダンス》
予選ラウンドの成績:13勝2敗
ローカルゲームストア:EH Gaming
お気に入りのカード
2021年にプレイし始めました。対戦の妙と運に感謝します。そして、良い準備にも…。 Liam Holdenと妻のLeilaに感謝を伝えたいです!
Mercy Bickell 選手(アメリカ、予選ラウンド2位)
クラシックのヒーロー:《流星のアウローラ》
1stドラフトのヒーロー:《フローリアン》
2ndドラフトのヒーロー:《フローリアン》
予選ラウンドの成績:13勝2敗
ローカルゲームストア:Heart of Gold Games
お気に入りのカード:
2022年にプレイを始めました。いまだに信じられません。、Tier 3以上のイベントで初めてのトップ8進出です。私は自分に対して高い希望と低い予想を抱いていたので、勝ち続けているときは、何かが起こるのではないかと待ち構えていました。でも、常に自分を信じるべきだということを知っておいてください!ここまで来られたのは、パートナーのBrian Lorenz、Elly Bird、チームの「Ascent」、スポンサーのMinMax Games、そしてRainbow x Pitch League (Kiki, Elaine, and Melodyのおかげです。
Michael Hamilton 選手(アメリカ、予選ラウンド3位)
クラシックのヒーロー:《誘惑の欲望、ヌゥ》
1stドラフトのヒーロー:《オシリオ》
2ndドラフトのヒーロー:《フローリアン》
予選ラウンドの成績:12勝2敗1分
ローカルゲームストア:Valkyrie's Vault
お気に入りのカード:
2021年にプレーを始めました 故郷のWolfpackと愛する人たちに感謝します
Allen Lau 選手(香港、予選ラウンド4位)
クラシックのヒーロー:《ダッシュ I/O》
1stドラフトのヒーロー:《アウローラ》
2ndドラフトのヒーロー:《アウローラ》
予選ラウンドの成績:12勝3敗
ローカルゲームストア:Home-Run, Mox Saga
お気に入りのカード:
私は2020年にプレーを始めました。まだ仕事は終わっていません!チームと地域のためにトロフィーを持ち帰りたいです。チームメイトに感謝します。彼らがいなければ、私はここにいません。
Noah Beygelman 選手(アメリカ、予選ラウンド5位)
1stドラフトのヒーロー:《フローリアン》
2ndドラフトのヒーロー:《フローリアン》
予選ラウンドの成績:12勝3敗
ローカルゲームストア: Webway Games
お気に入りのカード:
私は2022年にプレイを始めました。ついにトップ16の壁を破り、最高の舞台で自分のデッキを披露することができて、とても満足しています。明日もこの調子で勝ち進みたいと思っていますが、それでもこの結果には満足しており、今後のトップ8にも期待しています
Sam Sutherland 選手(オーストラリア、予選ラウンド6位)
クラシックのヒーロー:《ダッシュ I/O》
1stドラフトのヒーロー:《フローリアン》
2ndドラフトのヒーロー:《アウローラ》
予選ラウンドの成績:12勝3敗
ローカルゲームストア:Cardtastic
お気に入りのカード:
私は2021年にプレイを始めました。自分がどんな気分なのか、正直なところまったくわかりません。過去4回のTier 4イベントでは、トップ8まで本当に少しのところまで迫り、あと1勝というところでしたた。クラシック構築で4-0のあとに5回戦で負けたとき、自分の「呪い」が発動したのを感じました。ここまで来ることができて本当に嬉しいです。そして、High Octaneが禁止カードになったことも!*
*編注:High Octaneはまだ禁止されていません。しかし、Samはラウンド15で十分なアクションポイントを稼ぎ、小さな惑星を動かしました。
Valentin Mackl 選手(オーストリア、予選ラウンド7位)
クラシックのヒーロー:《祖先の記録者、エニグマ》
1stドラフトのヒーロー:《アウローラ》
2ndドラフトのヒーロー:《アウローラ》
予選ラウンドの成績:12勝3敗
ローカルゲームストア:Three for One Trading, DC Trading, SpielRaum Wien
お気に入りのカード:
私は2021年にプレイを始めました。疲れを感じていると同時に幸せです。FCL、Francis Loghin、Long Dao、Rafaelo Sarmiento、Team VV、そしてウィーンのコミュニティに感謝します。
Grzegorz Kowalski 選手(ポーランド、予選ラウンド8位)
クラシックのヒーロー:《祖先の記録者、エニグマ》
1stドラフトのヒーロー:《アウローラ》
2ndドラフトのヒーロー:《フローリアン》
予選ラウンドの成績:11勝4敗
ローカルゲームストア:Mag Planszowy
お気に入りのカード:
2021年にプレイを始めました。非常に幸運だと思います。Dizk Dzikに感謝を!
土曜日-世界選手権:大阪 クラシック 2日目メタゲームブレイクダウン
2日目に突入し、世界選手権の参加者は166名に絞られた。残るプレイヤーたちは『ロゼッタ(Rosetta)』ブースタードラフトの後、クラシックでの最後の戦いに挑むことになった。現在、彼ら全員が世界王者の称号を手に入れるため激しい戦いを繰り広げている。
2日目に入り、「アウローラ」「エニグマ」「ダッシュ」「ヌゥ」そして「ヴィセライ」がトップ争いを繰り広げているが、現在リードしているのは《流星のアウローラ》だ。『ファースト・ストライク(1st Strike)』からプロクエスト、そして世界選手権まで 一流であることを証明する時が来たのかもしれない。33名の稲妻・ルーン剣士使いが「そうだ」と答えている。
「ケイノ」「ウズリ」「ヴァーダンス」「カッサイ」「リップタイド」「ボルティン」そして「ヴィンセット」には別れを告げることになった。1名のみで残っているアンダードッグは、「ブラーボ」(ニュージーランドのCayle Mccreath選手がプレイ中で、彼はこのヒーローを手放さないことで有名)、《Dash, Inventor Extraordinaire》、「レヴィア」、そして「プリズム」だ。
2日目に進出したデッキは主に攻撃的なデッキが多く、素早くダメージを与える戦略が主流だ。一方で、残りのデッキはこの戦略に対抗策を持ち、《ルーン陣》をものともしない妨害手段に重きを置くヒーローたちだ。
《Dash, Inventor Extraordinaire》は特に注目されるべき存在で、プロクエストシーズンを通じてリビングレジェンドに到達せずに生き延びた。一般的には、彼女の速度が「エニグマ」の盤面展開についていくには少し遅すぎると見られているが、とあるプレイヤーが2日目進出を果たした。もしタイトルを勝ち取ることがあれば、その結果、彼女はリビングレジェンドへと一気にランクアップするだろう。
メタゲームの傾向としては、上位3人のヒーローのうち、約50%の選手が2日目に進出し、「アウローラ」に対策を取ったデッキが報われる形になった。
意外にも、昨日最も使用者が多かったヒーローは「エニグマ」だったが、2日目進出率は低めとなっている。これは、対策として用意していたプレイヤーが多かったためと考えられる。いくつかの相性の悪いマッチアップでは運任せで戦うこともできるが、「エニグマ」相手には対策が必須だ。
《ダッシュ I/O》は1日目の開始時点で他の上位3人のヒーローよりも少数だったが、2日目進出率は高くなっている。正しくプレイすれば非常に強力なデッキだが、リリースからの期間が短く、練度を高める時間が足りなかったために持ち込むのをためらったプレイヤーも多かったのだろう。
《ヌゥ》《ヴィセライ》そして《ゼン》も良い結果を残してはいるものの、2日目に残ったプレイヤーは数少ない。いずれも強力なヒーローだが、相性の悪いマッチアップに見舞われた可能性がある。もちろん、ドラフトでの失敗も脱落の原因の一つだ。
下位の方を見てみると、《アザレア》は意外にも高い進出率を誇っている。おそらく予想されていたよりも少ない数だったため、対策がされていなかったのかもしれない。例えば、《戦争屋の外交術》は大きな脅威だが、人気の《顔面消去》はこの危険なレンジャーには効果が薄い。
進出率が最も高いのは少数の選手がプレイする非主流派のヒーローたちだが、データだけでは全体像を語るには足りないかもしれない。しかし、「オシリオ」は3人中2人が2日目進出を果たしており、今後の展開次第ではダークホースとなる可能性もある。
Rosettaブースタードラフトの2回目が進行中のため、これらのヒーローが一気に姿を消す可能性もある。予選ラウンドを終えた後、トップ8に残るヒーローたちはどのような面々になるだろうか?要注目だ。
土曜日-世界選手権:大阪 新規プレイヤー向けの講習会に迫る
世界選手権:大阪では、様々な新規プレイヤー向けの「新規プレイヤーミッション」が開催される。このイベントは、フレッシュ&ブラッドを始めたばかりの人々がゲームの基本を学び、他のプレイヤーと交流する絶好の機会となっている。
参加者は初心者向けの構築済みデッキを使用したミニ・トーナメントや、ブースターパックを開封してデッキを作成するシールドフォーマットのプレイの体験を通じて、一日を通じて他の参加者との交流を深めながらフレッシュ&ブラッドというゲームを理解できるというものだ。
今回、この会場で「新規プレイヤーミッション」をサポートするスタッフの一人、帆足 祐一さんに話を聞き、どのように新規プレイヤーを迎え入れているのかを伺った。
──新規プレイヤーミッションの"売り"はなんですか?
まずジャッジ資格を持っているルールのスペシャリストが、まったくのゼロから付きっきりでルールを解説してくれるという点が一つです。スタッフも全員フレンドリーにご説明しますので、お一人でのご参加も歓迎しております!
次に、手ぶらで参加できる点です。後でお話する「ニュープレイヤーエクスペリエンス」にご参加いただく場合には参加費として3000円とスマートフォンのみ必要になりますが、それだけあれば今日ご帰宅いただくまでにはバッチリルールを理解した上で、デッキやプレイマットなどゲームに必要なものを全てお持ち帰りいただけます。
講習スタッフも常時5名以上が待機しておりますので、本当にいつでも気軽にご参加いただければ!
──新規プレイヤーミッションでは具体的にどういったことをするのでしょうか?
まず、《真紅の霞、アイラ》のウェルカムデッキを使った初心者講習です。来場された初心者の方に講習用のデッキをお配りし、スタッフが一からルールを説明します。参加費も無料で、常時開催しております。まずはこちらを受けていただくのが良いかと思います。
そして今回、新規プレイヤーミッションとして「ニュープレイヤーエクスペリエンス」というキャンペーンを実施しています。複数の初心者向けのイベントにご参加いただき、ミッションをこなしていただいた方に非売品のプレイマットをお配りするというものです。
実際のミッションの内容としては以下の6点があります。
- フレッシュ&ブラッドのイベント参加のために必要になるGEMアカウントの作成
- 初心者向け構築済みデッキ『ファースト・ストライク(1st Strike)』を使ったデモプレイに参加
- 『暴力の饗宴(Heavy Hitters)』『霧隠の秘境(Part the Mistveil)』『ロゼッタ(Rosetta)』のいずれかのパックを使用したシールドイベント
- 『ファースト・ストライク(1st Strike)』を使用したミニ・トーナメント(全1回戦)
- 『暴力の饗宴(Heavy Hitters)』『霧隠の秘境(Part the Mistveil)』『ロゼッタ(Rosetta)』のいずれかの構築済みデッキを使用したミニ・トーナメント(全1回戦)
- 賞品としてプレイマットを受け取る
少し長いようですが、1番目のアカウント作成はスタッフが隣で説明しながら行っていただくのですぐに終わりますし、6番目はプレイマットを受け取るだけなので、実質的に「講習を受けて、構築済みデッキで2回、シールドで1回遊ぶ」といった内容です。
「ニュープレイヤーエクスペリエンス」では参加費として3000円をいただきますが、1500円相当のブリッツの構築済みデッキが2つと、 ミッション達成の賞品のプレイマットももらえるのでかなりお得なイベントになります。
──シールドデッキの構築や構築済みデッキでの対戦の際に、分からないことがあれば教えてもらえますか?
はい。シールドデッキの構築では、デッキを組むよりもさらに手前、カードのレアリティや開封したカードの見やすい並べ方など、かなり初歩的なところからご説明しますよ!もちろんデッキを組むところもお手伝いします。
対戦の際も基本的にスタッフが付きっきりですし、ミニ・トーナメントといっても1回戦のみで勝敗は関係なく、あくまで実際の対戦を通じて楽しんでいただくことを目的としたものですのでご安心ください。
──実際にご参加されている方からはどういった声を聞きますか?
楽しんでいただけたという方が多いです。お一人でのご参加や、まったくカードゲームをプレイされたことがない方のご参加も多いですが、スタッフも丁寧で気さくなメンバーばかりなので、みなさんリラックスしてご参加いただけているようです。
また、賞品のプレイマットもご満足いただけているようです。こちらは店舗向けに配布している非売品ですので、ぜひこれを機にみなさんにフレッシュ&ブラッドを覚えていただけたらなと思います。
──これからフレッシュ&ブラッドを始めてみたいと思っているプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
フレッシュ&ブラッドに対して、少し難しそうという印象を持たれている方や、競技トーナメントが充実している反面で初心者にはとっつきづらそうだと感じている方も多いかと思います。しかし、実際にはカジュアルにプレイされている方やコレクター、イラストや世界観のファンの方など、多くのプレイヤーを受け入れてくれる懐の広いゲームです。
何より、単純にゲームとしての完成度が非常に高くてやればやるほどのめり込めるカードゲームです。日本のコミュニティやショップはいつでも初心者を歓迎しているので、とにかく気軽に始めてみて、ぜひお近くの取り扱い店舗などに足を運んでいただけたらなと思います。
金曜日-世界選手権:大阪 日本プレイヤー成績優秀者紹介
世界選手権:大阪の初日の8ラウンドが終わった。ここでは、初日を日本勢トップの6勝2敗という優秀な成績で突破した2名のプレイヤーへのインタビューをお見せしよう。
世界各国から集まった強豪たちと対峙した彼らにとって、今日はどんな一日だったのだろうか? 初日の感想、明日への意気込み、そして特に印象深かった出来事について簡単に話を聞いた。
榎本 憲二 選手
── 今日の成績を教えてください
クラシック:4勝1敗
ドラフト(《アウローラ》):2勝1敗
── 今日一日を通して、印象的だった出来事があれば教えてください
ドラフトでうっかり黄色の《電磁回転》をコスト0のカードにプレイしてしまって、今日のよかった出来事を全部塗りつぶすくらいショックでした(笑)
── 明日の意気込みや勝利の秘訣を教えてください
ドラフトで3-0して、クラシックも勝ってトップ8進出を目指します!ドラフトはかなり練習してきたので、後悔のないようにがんばります。
桑原 一真 選手
── 今日の成績を教えてください
クラシック構築:4勝1敗
ドラフト(《アウローラ》):2勝1敗
── 今日一日を通して、印象的だった出来事があれば教えてください
ドラフトラウンドの2回戦目で、対戦相手の《フローリアン》に1ターンで14点回復されたことです。さすがに無理!
── 明日の意気込みや勝利の秘訣を教えてください
できるだけ勝ちたいです。秘訣は「ちゃんと寝て朝ご飯をよく食べる」!
金曜日-世界選手権:大阪 参加者に聞いた『ロゼッタ(Rosetta)』の印象
新セット『ロゼッタ(Rosetta)』が9月20日にリリースされ、クラシック構築フォーマットには大きな変化がもたらされた。
新たに追加された4人のヒーローたちはいずれもエレメンタルの「タレント」を持ち、他に類を見ない個性的な能力でクラシック構築に乗り込んできた。大地/Earthや稲妻/Lightningに新たに追加されたカードももちろん強力であるし、ルーン剣士と魔術師クラスに追加されたカードもそれぞれのクラスの強さを一段階高めている。
ここでは、そんな『ロゼッタ(Rosetta)』の新ヒーローや新カードの中から特に注目のカードや環境全体に与えた影響について、世界選手権に出場しているプレイヤーたちにインタビューしてみよう。
丹生 裕之 選手(日本選手権2023優勝)
── まず『ロゼッタ(Rosetta)』の印象を教えてください。
構築もリミテッドも楽しくてバランスのいい良セットだと思います。新ヒーローはみんな強いですし、既存ヒーローも特にルーン剣士が強化されています。
── 『ロゼッタ(Rosetta)』の新ヒーローの中で、今大会最も注目しているのは?
《流星のアウローラ》と《朽ちた森の先触れ、フローリアン》の2人のルーン剣士ですね。稲妻/Lightningには《稲妻峡谷の導き》、大地/Earthには《王位の切り倒し》というそれぞれに強力なカードもあって、どちらも楽しいデッキです。
── 既存のヒーローの中で『ロゼッタ(Rosetta)』の恩恵を最も受けているのは?
《邪悪な詠唱》や《デッドウッドの哀歌》などのカードが加わったことで、ルーン剣士クラスの《ルーンの血流、ヴィセライ》と《Vynnset, Iron Maiden》が強化されました。出力が上がったことで元々ルーン剣士が苦手としていた速いデッキにも対抗できるようになりましたし、より安定して《ルーン陣》を生み出すことができるようになったので《ルーン陣》を溜めて大きなターンを作りやすくなっています。
逆に、ルーン剣士が強化されたことで秘術ダメージを防ぎにくく、かつ遅めのデッキは苦戦を強いられている印象です。戦士クラスや守護者クラス全般ですね。あと、《Prism, Advent of Thrones》や《夜明けをもたらす者、サー・ボルティン》など黄色のカードを多用するデッキも秘術ダメージの防御にリソースを割けないため向かい風です。
浦瀬 亮祐 選手(日本選手権2024トップ8)
── まず『ロゼッタ(Rosetta)』の印象を教えてください。
強いセットです。今年5月に発売された『霧隠の秘境(Part of the Mistveil)』のヒーローがどれも環境を一変させるほど強力だったので、正直『ロゼッタ(Rosetta)』がゼンやヌゥ、エニグマといった強力なヒーローたち相手に太刀打ちできるのか?と疑問だったのですが、蓋を開けてみれば『ロゼッタ(Rosetta)』に負けず劣らずいいセットでした。
また、ドラフトもバランスが取れていてとても楽しいです。最初は《フローリアン》一強かな?と思っていたのですが、研究が進むにつれて、ドラフトというリミテッドフォーマットの中でもメタゲームが回るようになって、遊ぶたびにまったく異なるプレイ感を味わえます。
── 『ロゼッタ(Rosetta)』の新ヒーローの中で、今大会最も注目しているのは?
《朽ちた森の先触れ、フローリアン》が目立っていますね。『ロゼッタ(Rosetta)』では全体的にルーン剣士が強化されているという点が一つと、《王位の切り倒し》という強力な攻撃アクションを使える点で頭一つ抜けています。
同じルーン剣士の《流星のアウローラ》も強力です。ただ、やっていることが一本道なわりにそこまで尖っていないので《朽ちた森の先触れ、フローリアン》を比べると一歩落ちるかなという印象です。
── 既存のヒーローの中で『ロゼッタ(Rosetta)』の恩恵を最も受けているのは?
先ほども言ったとおり、ルーン剣士は強さが底上げされています。これまで少しマイナーなヒーローだった《Vynnset, Iron Maiden》や《ルーンの血流、ヴィセライ》なども環境でよく見かけるようになりました。特に《ルーンの血流、ヴィセライ》は別のデッキに生まれ変わったと言ってもいいほど強化されているでしょう。
それから、『ロゼッタ(Rosetta)』では意外と《祖先の記録者、エニグマ》が強い腕装備である《静穏の仕草》をもらっていますね。実は僕自身はわりと最近まで見落としていて全然試せていなかったのですが、様々なトーナメントでいい結果を残しています。
金曜日-世界選手権:大阪 日本プレイヤーインタビュー
いよいよ世界選手権が開幕し、選手たちが待ち望んでいた瞬間がやってきた。2024年は日本語版のリリースや世界大会が大阪で行われるなど、国内のフレッシュ&ブラッドシーンにとって記念すべき年になったと言えよう。
ここでは、そんな世界選手権に出場している選手の中から3名をピックアップし、お話を伺った。
五島 輝一 選手(日本選手権 トップ8)
── 世界選手権:大阪に出場しての感想を教えてください
強いプレイヤーが多いです。僕はラスベガスやアムステルダムでのプロツアーや昨年の世界選手権にも参加しているのですが、同じTier4に位置づけられているトーナメントの中でも、世界選手権はプロツアー以上にレベルが高い印象ですね。
── どのような調整をしてきましたか?
僕は関西で「おかゆパイレーツ」というコミュニティを主催しているので、基本的にはそのメンバーで練習をしました。他にも日本選手権で優勝したXavier McLeanさんやプロツアー:アムステルダムで優勝した山村 翔馬さんなどと意見交換をしたりですね。
── 世界選手権:大阪の意気込みを教えてください
プロツアーアムステルダムで優勝した山村 翔馬さんとも交流が深いのですが、先日彼がプロツアーで優勝したので、僕もそれを追い越すくらいのつもりで頑張りたいです!
挽野 允也 選手(ストリーマー)
── 世界選手権:大阪に出場しての感想を教えてください
世界選手権という年に一度の大きな舞台でプレイできるのはとても嬉しいです。僕は今回TCGショップからスポンサードしてもらって、ユニフォームを着て参加しているのですが、参加者もフレンドリーな方が多く、対戦相手の方から「それどこのショップ?」など声をかけてもらえて楽しく過ごせています。
──どのような調整をしてきましたか?
僕は海外の情報などを調べるのも得意なので、大会のデッキリストはもちろん海外のプレイヤーのPodcastや配信は一通りチェックしてきました。また、コーリング:東京でトップ8に入賞していた水谷くんと仲が良いので、彼と練習したり意見交換をしたり、歴が浅いなりにできることをしてきたつもりです。
──世界選手権:大阪の意気込みを教えてください
まだフレッシュ&ブラッドを始めてから日も浅いですし、カードゲームの競技的なイベントに参加するのも久しぶりです。もちろん勝ちたいですし、特にドラフトは研究してきましたが、まずは楽しく過ごしたいと思っています。
笹木 らん 選手(日本選手権2024 トップ8)
──世界選手権:大阪に出場しての感想を教えてください
開催地が私の地元の大阪なこともあって、リラックスして大会に臨めています。参加者のレベルが高いのはもちろんですが、思ったよりもみなさん気さくで楽しいです。さっきは対戦相手の方から自作のトークンカードをいただいたりですね。
──どのような調整をしてきましたか?
私は《武装した獣性、ケイヨ》が好きなのですが、《武装した獣性、ケイヨ》は環境的に向かい風なので泣く泣く置いてきたんです……。
愛好していたデッキを使うのをやめたこともあって調整にはとても苦労しました。クラシック構築のデッキを6つも組んで、プロクエストなどで試したりしたんです。今回はその中でも一番しっくりきた《流星のアウローラ》を組んで持ってきました。
──世界選手権:大阪の意気込みを教えてください
とりあえず2日目進出です。正直ドラフトはあまり自信がないので、クラシックでなんとか勝ちを拾いたいところですね。ただ、実は土曜日に開催されるコスプレコンテストにも参加する予定なので、2日目に進出すると試合の合間にコンテストに出場することになるんですよね。気負わずにがんばります。
金曜日-世界選手権:大阪 クラシック 初日メタゲームブレイクダウン
世界選手権:大阪の幕が開け、456人のプレイヤーたちが最初の関門となるクラシックに挑む。
果たして、世界中から集まった選ばれしプレイヤーたちはどのような選択をしたのだろうか。
前評判通り、「エニグマ」と「アウローラ」が他をリードしており、それぞれが70名以上のプレイヤーと共に激闘へ臨んでいる。プロクエストシーズンに注目を集めた《ダッシュ I/O》も53名と、その勢いはとどまるところを知らない。
かつてほど驚異的なものではないが、《十二花弁の袈裟》が《ルーン陣》に対して作用する「ゼン」も多くの使用者を集めている。
全体を見てみると、「ヌゥ」が上手く振る舞う、非常にスピーディーなメタゲームになりそうだ。
ただ一人のみとなった「カッサイ」「リップタイド」「ボルティン」「ヴィンセット」といったヒーローたちは、果たして勝ち残れるのだろうか。要注目だ。
木曜日-キーノートハイライト
いよいよ、世界選手権:大阪が開幕!10月31日(木)にLegend Story StudiosのCEO、James Whiteが来年1月に発売される新製品や、次シーズンのプロプレイシステム、プレイヤー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手)、今後の製品等について講演を行った。
今夜の講演を見逃した人のために、要点をまとめておこう。
組織化プレイ
まずは来年のスケジュールの概要だ。2025年のプロクエスト・シーズン2(プロツアー:APACに続く)は10月に開催され、プレイヤーは2026年の最初のプロツアーの出場権を獲得できるチャンスがある。また、2025年にはカジュアルプレイに焦点を当てたプログラムが年2回から3回に増え、11月には先鋒戦シーズン13が開催される予定だ。
前回の先鋒戦シーズンで《ゼン》がブリッツで前人未到のスピードランを達成し、リビングレジェンドの地位を手に入れた後、整理が必要であることは明らかだった。9月4日の禁止・制限告知では、攻撃的なカードの多くが整理されたが、開発チームは、ブリッツを可能な限り最高のレベルに引き上げるために日夜努力を続けている。
これには、11月12日よりブリッツにおけるリビングレジェンドのシステムに大幅な変更を加え、リビングレジェンドのステータスを獲得するために必要なポイント数を2倍(500から1000へ)にすること、そして全ヒーローの現在のポイント合計を2倍にすること(《ゼン》を除く。《ゼン》の現在の合計ポイントは505のまま)が含まれる。そう、神秘・忍者に2度目のチャンスが与えられた。
しかし、今回は《ゼン》がこれほどまでに強力になったツールを利用することはできない。Jamesは、11月12日の禁止・制限告知でさらなる変更が加えられ、ゼンの再登場が公平で楽しいものになることを約束した。
今後は、すべてのシーズンごとのプログラム(クラシックを含む)で、ヒーローが適度なペースで登場し、留まり、去っていくように、一定数のリビングレジェンドポイントが配布される。
プロプレイ2025
フレッシュ&ブラッドには世界最大級のTCG競技プレイサーキットがある。これをより体現するために発表しよう…ワールドツアーだ!
ワールドツアーは単なるブランド変更以上のものだ。フレッシュ&ブラッドのプレイへの献身と卓越性を認めることなのだ。この新しいシステムでは、プレイヤーは「ワールドツアーポイント」を獲得でき、獲得ポイントはバトルハーデン、コーリング、国別選手権、プロツアー、そして世界選手権での最終順位に基づいて決定される。世界選手権の終了時に、最も多くのポイントを獲得したプレイヤーが年間最優秀選手「プレイヤー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれる。これは単なる称号にとどまらず、このシステムにおける賞金総額は10万ドルとなるのだ!プレイヤーは来週末のバトルハーデン:広島からワールドツアーポイントを獲得できるようになる。
2025年には、ワールドツアーの賞金総額は再び$150万になる。その中には以下のものが含まれる。
● 1回の世界選手権
● 2回のプロツアー
● 50回の国別選手権
● 22回のコーリング
● 60回のバトルハーデン
それでは、今からプロツアー:ロンドンまでの間に開催されるイベントの、わくわくするような開催地をいくつか紹介しよう。
バトルハーデン
●香港 - 1月3日~5日
●アトランタ - 1月3日~5日
●トロント - 1月10日~12日
●ポートランド - 2月7日~9日
●シャーロット - 2月7日~9日
コーリング
● プラハ - 1月17日~19日
● メンフィス - 1月31日~2月2日
● クライストチャーチ - 2月7日~9日
● 神戸 - 3月14日~16日
● サンパウロ - 3月(日程は後日発表)
製品
それでは、2025年の製品リリース予定について、ひとまず概要をお知らせしよう。次期セットの発表も含まれるが、それについては後述しよう。6月に予定されているセット16では、これまでレイスの世界において見たことのないものが登場するほか、新規プレイヤーが戦いに参加しやすくなるアーモリーデッキもリリースされる。
『マスタリーパック:守護者』は、守護者のサポートセットで、8月に延期される。日本のファンに朗報なのは、今年12月にアーカイブパックがもう一つリリースされ、守護者、エレメンタル、氷、大地の主要なカードが再録することだ!
さあ、狩りを始めよう...
死後も貫く忠誠の誓いは、欺瞞の中で生まれる混沌に絡め取られている。あなたは狩人か…? それとも餌食か?
『混転の餌食(The Hunted)』では、プレイヤーは復讐心に駆られている二人のドラカイとなります。彼らは忠義に厚い高級武官であり、皇帝が暗殺された今、ヴォルカーの燃え盛る平原を駆け回り、犯人に正義の裁きを下そうとしている。
しかし事態は単純ではない...
全ての閉じられた扉の裏側には、不気味な何かが潜んでいます。闇の中を這い回り、視界に一瞬のみ映り、真夜中に刃が不気味を光を放っている。迫るドラカイの軍勢を待ち受けるのは、危険が張り巡らされた蜘蛛の巣だ。
2025年1月31日に発売される『混転の餌食(The Hunted)』は、忍者、戦士、暗殺者のクラスのヒーローをフィーチャーしており。特にシールドやブースタードラフトは刺激的で、数えきれないほどの刺突の応酬を目にすることになるだろう。また、これまでになかった、素晴らしいマーベルコレクションも含まれている!
今日はここまで。混沌へのカウントダウンが始まる…
木曜日-リビングレジェンド:メタゲームブレイクダウン(チームカップ)
世界選手権のチームカップでは、世界中から集まった選りすぐりの精鋭たちがリビングレジェンドフォーマットで覇を競う
過去に存在した全てのヒーローと、その代表的武器(Sinature Weapon)を使用できるこのフォーマットは、フレッシュ&ブラッドの数あるフォーマットの中でも最も刺激的であると言えるだろう。
そんなチームカップのメタゲームブレイクダウンが明らかとなった。上位には最強のヒーローの呼び声高い守護者クラスの《Bravo, Star of the Show》や、 《Prism, Sculptor of Arc Light》と《Chane, Bound by Shadow》といった、現在クラシック構築フォーマットでは使用できないヒーローたちが揃い踏みしている。
また、(《Kraken's Aethervein》と一部のプロモカードを除く)過去のカードが全て使えるというリビングレジェンドというフォーマットに相性のよさを見出したのが『ロゼッタ』の新ヒーローである《流星のアウローラ》だ。
《Ball Lightning》も非常に多くのカードと相互作用を発揮するカードで、クラシック構築では禁止されているが、リビングレジェンドにおいては問題なく使用可能だ。
まだ《流星のアウローラ》のリストがどのような形で《Ball Lightning》を活用しているのか詳細は不明だが、《Ball Lightning》は同一戦闘チェイン内で複数回のダメージを与えることでその真価を発揮するため、連続攻撃を得意とする《流星のアウローラ》にとってはぴったりの1枚と言えるだろう。
他にも通常のクラシック構築では使用できないカードとして《茨の監視者、ブライアー》の代表的武器である《ロゼッタの茨剣》も注目の1枚だ。
《ロゼッタの茨剣》は、条件はあるもののわずか1コストでパワー2の攻撃と2点の秘術ダメージを同時に行える非常に効率のいい武器で、ルーン剣士の最強の武器の一つだ。
もちろん《茨の監視者、ブライアー》はもちろん、《Chane, Bound by Shadow》や《ルーンの血流、ヴィセライ》も《ロゼッタの茨剣》を装備しており、リビングレジェンドフォーマットにおけるルーン剣士の強さを一段階高めている装備品と言えるだろう。
今後、今大会を皮切りにリビングレジェンドフォーマットはますます研究が進んでいくことだろう。どのようなデッキが勝ち上がり、どんな派手なゲームを我々に見せてくれるのか楽しみだ。
木曜日-チームカップ 日本代表選手紹介
ついに幕を開けたフレッシュ&ブラッド世界選手権!開催地はなんと日本(大阪)!
2024年は日本にとって特別な年で、日本語版リリースや今回の世界選手権の日本開催は、国内のフレッシュ&ブラッドシーンにとって大きな節目となった。
世界選手権には国別選手権の優勝者と準優勝者、ELOランキング上位者、その他コーリングやバトルハーデンを勝ち抜いてPTI(Professional Tournament Invitations)トークンを獲得したプレイヤーなど輝かしい実績を持つ選手たちが集結し、4日間にわたる熱戦で世界一の座を争う。
本日10月31日、リビングレジェンドによるチームカップが開催されており、世界中から選ばれた精鋭たちが激しい戦いを繰り広げている。
もちろん我らが日本チームも出場中! ここではそのメンバーをご紹介しよう!
Xavier McLean 選手(日本選手権2024優勝)
使用ヒーロー:《Chane, Bound by Shadow》
山村 翔馬 選手(プロツアーアムステルダム優勝)
使用ヒーロー:《Prism, Sculptor of Arc Light》
ソノダ ハルカ 選手(ELOレーティングによる選出)
使用デッキ:《ルーンの血流、ヴィセライ》
──「今回はチーム戦でリビングレジェンドフォーマットに取り組まれましたが、デッキなどはどのように決めましたか?」
山村「あまり触れてこなかったフォーマットでしたが、まずはチーム全体の共通の見解として《Prism, Sculptor of Arc Light》が一番人気だろう、というところからデッキを考え始めました」
山村「そこで、僕自身が元々フレッシュ&ブラッドをプレイし始めたころにずっと《Prism, Sculptor of Arc Light》を使用していて練度に自信があったので、まずは僕自身が《Prism, Sculptor of Arc Light》を使用することにしました」
ソノダ「僕は逆にいろいろなヒーローを試しました。《Lexi, Livewire》や《流星のアウローラ》などですね」
ソノダ「ただ、レンジャーはあまり使ってこなかったのでプレイスキルが詰めきれず、《流星のアウローラ》もしっくりくるデッキリストが作れなかったので、元々使用していた《ルーンの血流、ヴィセライ》を調整して持ってきました。たぶん、他にリビングレジェンドで《ルーンの血流、ヴィセライ》を使用している人はいないと思います」
Xavier「僕はずっと《Iyslander, Stormbind》が好きだったので、今回リビングレジェンドに取り組むにあたってギリギリまで練習していたのですが、結局一番人気の《Prism, Sculptor of Arc Light》に勝てなそうだったので泣く泣く諦めました」
Xavier「そこでデッキを決めるのに難航して、ニュージーランドに住んでいるフレッシュ&ブラッドプレイヤーの友人に相談したところ、《Chane, Bound by Shadow》がよいのではないかと言われて今回使用しています」
──「チームでの調整などはどのように行いましたか?」
ソノダ「全員の時間がなかなか合わなくて、一緒に顔を合わせて練習したことはないんです。僕とXavierだけとか、僕と山村さんだけ、みたいな練習は何度かしたのですが」
Xavier「全員カードショップで働いていて、土日休みというわけでもないからスケジュールが合わないのは仕方ないですね」
山村「ただ、情報共有はDiscordなどを使ってまめに行いました。特にXavierはフレッシュ&ブラッドの暦も長いし海外の大会結果などにも詳しいので、Xavierの意見はとても参考になりました」
──「ありがとうございます。最後にチームカップへの意気込みを教えてください」
Xavier「2人がうまいから信頼してるよ!」
ソノダ「 今のところ好調に勝ち越せているので、このままの調子でノックアウトラウンド(上位4チームによるプレイオフ)進出目指してがんばりたいです 」
日本代表チーム(左から山村 翔馬 選手、Xavier McLean 選手、ソノダ ハルカ 選手)
木曜日-世界選手権へようこそ
茨の茂みをかき分け、荒れ狂う雷雨を突き進み、勇敢な英雄たちはレイスの各地からここ大阪へと集いった。ある者は黄金と栄光を求め、ある者はかつての仲間と再会し、宿敵や新たな敵と戦うために旅立った。森の中で収穫を探し求め、美しく豊かなコレクションを築く者もいる。そして、目を輝かせ、この大騒ぎの理由を知ろうとする者も少なくない。我々はこの特別な記念イベントのため、インテックス大阪に集結した。ここが全てを包み込む大きな庇護であり続けるのか?それとも、今まさに迫りつつある秘術の嵐から英雄たちを守ることができるのだろうか?
今年、フレッシュ&ブラッドはTCG業界の母国である日本に上陸した。そして、日本が世界の舞台で輝くまでに、そう長い時間はかからなかった。ここは山村翔馬選手、Xavier McLean選手、ソノダハルカ選手、丹生裕之選手、ミズタニヨシキ選手、鍛治毅選手、鈴木勇翔選手、ゴシマテルカズ選手といった強者たちが活躍するホームグラウンドだ。この門の先には、激しい競争が待ち受けており、それ以上に…強い友情も育まれる。ここは、生涯にわたって続く絆が築かれる場所。ここで私たちは素晴らしいゲームという共通の言語を通じて、まさにフレッシュ&ブラッドによって一つになるのだ。
今まさに、各国の王者とその仲間たちが、自国のためにチームカップで戦っている。この模様はさらに詳しくお伝えする予定だが、それまでは会場でじっと待とう。キャンドルホールドには、地平線上に雷鳴のような可能性が待ち受けていることを予感させる、静寂が満ちている。整然と並ぶ椅子、その表面に思い出が刻まれるのを待っているテーブル。
ようこそ大阪へ。