8月16日に発売される構築済みデッキの「アーモリーデッキ」は、トーナメントでも実際に使用されている強力なカードも多数収録されており、クラシック構築フォーマットへの入門に最適です!
ここでは、陽の届かぬ薄暗いピットで暗殺を生業に生きる至高の狩人、アザレアのアーモリーデッキをご紹介していきます。必殺の「矢」(Allow)をつがえて対戦相手の防御を穿ち、猛毒で相手を苦しめるヒーローです!
デッキの特徴
《秘匿のエース、アザレア》はフレッシュ&ブラッドに最初に登場したレンジャークラスのヒーローです。彼女の能力について説明する前に、まずレンジャークラスの特殊な攻撃・アクションカードである「矢」について説明しなくてはなりません。
「矢」は通常の攻撃・アクションカードとは異なり手札からプレイすることはできず、「弓」(Bow)を装備している状態で、格納庫からのみプレイできるというルールを持ちます。このため、レンジャークラスが攻撃を行うには、まずこれらの「矢」を格納庫へ置く必要があります。
本来格納庫にカードを置くことができるのはエンドフェイズのみですが、レンジャークラスの武器である「弓」はアクションフェイズ中に格納庫に「矢」を置く能力を持ちます。そのため、まず「弓」の能力で「矢」を格納庫へ置き、その後格納庫から「矢」をプレイする必要があります。
「矢」カードはヒット時に誘発する強力な能力を持ったものが多いです。それらは対戦相手の行動を制限するものであったり、攻撃や防御を困難にさせるものであったり、いずれも手札からプレイできないという制限に見合ったものと言えるでしょう。
《秘匿のエース、アザレア》デッキに収録されている《デス・ディーラー》は、手札から「矢」を表向きで置き、さらにカードを1枚引くことができるという能力を持っています。
《デス・ディーラー》によって「矢」をつがえ、その他のアクションカードによって「矢」に強化を与えて防御困難な一撃を撃ち込む。仮に対戦相手に与えたダメージがわずかだったとしても、ヒット時に撃ち抜いた急所、あるいは与えた毒が対戦相手を蝕む──これが《秘匿のエース、アザレア》デッキの目指すゲームプランとなります。
そんな《秘匿のエース、アザレア》の持つ能力は、格納庫のカードをデッキの下に置き、代わりにデッキの一番上のカードを格納庫に表向きで置くというものです。そして新たに格納庫に置かれたカードが「矢」であったなら、その「矢」は「圧倒」(Dominate)を持ちます。
何も考えずにこの能力を使用すると、単に格納庫とデッキの一番上のカードを入れ替えるだけで、それがたまたま「矢」だったらラッキー、というだけの能力になってしまいますが、《秘匿のエース、アザレア》デッキにはデッキの一番上のカードを確認する手段がいくつか用意されています。
デッキに赤と黄の2種類が3枚ずつ計6枚入っている《飛行路読み》は、0コストでデッキの一番上のカードを確認しつつ次の「矢」の攻撃を強化します。また、同じく黄と青の2種類が3枚ずつ計6枚入っている《尖塔からの狙撃》は「矢」攻撃アクションとして使用したときには何の能力も持ちませんが、《デス・ディーラー》の能力で格納庫に表向きに置かれたとき、デッキの一番上から2枚のカードを見て好きな順番に入れ替えることができます。
これらのカードを用いることでデッキの一番上のカードを確認し、それが「矢」であったなら《秘匿のエース、アザレア》の能力を使うことで「矢」による攻撃に「圧倒」のボーナスを与えることができるようになります。
また、手札にダブついた「矢」カードを《デス・ディーラー》の能力で格納庫に置き、《秘匿のエース、アザレア》の能力で入れ替えることで実質的にカードを引き直すといったプレイも可能です。
レンジャークラスは一撃で急所を撃ち抜くような戦い方を得意としていますが、その分連続攻撃を苦手としており、複数枚の「矢」が手札に溜まってしまったときは《電撃の射撃》のようなカードがない限り大幅に動きが制限されてしまいます。こうした状況では大人しく防御に回るか、《秘匿のエース、アザレア》の”実質引き直し”テクニックを使って狡猾にゲームを進行していきましょう。
格納庫に「矢」をつがえ、パワーを上昇させるアクションカードで矢じりに毒を塗って、防御困難な一撃で対戦相手を射抜く。これこそがレンジャークラスに属する《秘匿のエース、アザレア》の目指すべきゲームプランです。
収録カードピックアップ
《過去の精算》
「アザレア特化」を持った「矢」攻撃アクションで、この攻撃がヒットした対戦相手は次のターン中、1度しかアクションができなくなってしまいます。
特に続行を持ったアクションカードによる連続行動を得意とするヒーローに対しては「追加の1ターンを得る」と書かれているのに等しいまでの効力を発揮し、フレッシュ&ブラッドというゲーム全体を見渡しても最高峰の行動制限カードの一つと言えます。
《秘匿のエース、アザレア》のアーモリーデッキには《過去の清算》が1枚だけ収録されています。まずはこの《過去の清算》を3枚に増やすことで、さらなるデッキのパワーアップを見込めます。
《死兆の矢番え》
《死兆の矢番え》は2つの能力を持った「アザレア特化」アクションカードです。
- デッキから「矢」を探してデッキの一番上に置く。
- 「再装填」(Reload)によって、格納庫にカードがなければ手札のカードを1枚格納庫に置いてもよい。
この2つの能力はいずれも《秘匿のエース、アザレア》自身の持つ能力と高い相互作用を発揮します。《死兆の矢番え》によってデッキの一番上に好きな「矢」カードを置きつつ「再装填」(Reload)によって格納庫に不要な「矢」を置き、《秘匿のエース、アザレア》の能力を使用すれば、さきほど《死兆の矢番え》によって探した「矢」に「圧倒」を与えて放つことができるのです。
《死兆の矢番え》のプレイと《秘匿のエース、アザレア》の能力はいずれもリソースを消費することなく使用できるため、すでに格納庫に「矢」があるか「再装填」によって「矢」を置くことができる状況であれば、0コストで好きな「矢」カードを格納庫に置くことができるようになります。
さらに、《死兆の矢番え》+《秘匿のエース、アザレア》のコンボの途中で「アザレア特化」を持った「矢筒」である《烏の巣》の効果も使用できるため、1リソース支払うことで確実に照準カウンター(Aim)を置くことができます。
照準カウンターはそれ自体には能力はありませんが、一部のカードは「矢」に照準カウンターが乗っていることによってボーナスを発揮します。
《電撃の射撃》
トーナメントでもよく使用されるレンジャークラスの攻撃・アクションカードです。《電撃の射撃》は、これ自体のパワーを強化していれば続行とヒット時に「再装填」を誘発させる能力を持ちます。
続行を持つ「矢」が少ないことや、「矢」を格納庫に置いてからでないと攻撃できないという性質から、レンジャークラスは連続攻撃を苦手としています。《電撃の射撃》はそんなレンジャークラスの弱点を補ってくれるカードの一つです。
「矢」カードは手札からプレイすることができないというデメリットはあるものの、それに見合った強力な性能のカードが多く、1ターンに複数の「矢」で攻撃することができるというのは見かけ以上に強力です。
ヒットしたときのバリューが非常に大きいため、次の「矢」攻撃を強化する《塗布》系のカードで強化し、ヒットを狙いましょう。アーモリーデッキには赤の《電撃の射撃》のみ収録されていますが、トーナメントで優秀な結果を残しているデッキリストには黄の《電撃の射撃》まで採用されているものが多いです。
《烏の巣》
「アザレア特化」を持ち、「弓」に加えて追加で武器ゾーンに置くことができる「矢筒」(Quiver)という特殊なサブタイプを持った装備品です。
デッキから格納庫に「矢」が置かれるとき、1コストを支払うことでそれに照準カウンターを載せることができます。「アザレア特化」とある通り、《秘匿のエース、アザレア》自身の能力と組み合わせることで真価を発揮するカードです。
照準カウンターを持つことで強化されるカードは少なくありません。《秘匿のエース、アザレア》自身の能力によって格納庫に置かれた「矢」であればそれはターン中「圧倒」も持っているため、ヒット時に誘発する能力も活かしやすくなるでしょう。
「矢」はコストが低いカードが多く、リソースに余裕を持ちやすいため、追加の1リソースを支払うこともそれほど難しくないというのもポイントです。
《正確無比の狙撃手》
《正確無比の狙撃手》は1点の防御力を持ちながら「戦傷」(Battleworn)によって防御に使用した後でも破壊されずに闘技場に残り、かつこれ自体を破壊することで手札にある「矢」を照準カウンターを置いた状態で格納庫に置くことができるという非常に優秀な腕装備です。
レンジャークラスは非常に攻撃的なクラスですが、その分装備品による防御は苦手としています。防御力が1点しかないのは他のクラスの装備品と比べると若干の心許なさがありますが、そもそも他の選択肢はそれほど多くありません。
さらなるステップアップのために
《Skullbone Crosswrap》
《Skullbone Crosswrap》は《秘匿のエース、アザレア》と強いシナジーを発揮する頭の装備品で、自身の格納庫に裏向きで置かれているカードを表向きにすることでデッキの一番上のカードを見て、デッキの上か下か好きな方に置くことができる「選択1」(Opt)を行うことができます。
デッキの一番上を確認することができるということは、《秘匿のエース、アザレア》の能力を能動的に使用する機会を増やせるということです。能力使用のコストも非常に安く、毎ターン使用することができます。
さらに防御力も1点あり、いざというときはライフを守ることもできるほか、「秘術防壁1」(Arcane Barrier)も持っているため腐る相手がおらず、総じて非常に優秀な装備品です。《秘匿のエース、アザレア》デッキを極める上では必ず持っておきたい1枚と言えるでしょう。
《Remorseless》
《Remorseless》は2つの能力を持った「矢」の攻撃・アクションカードです。
- 《Remorseless》が表向きで格納庫に置かれたとき、対戦相手はこの《Remorseless》の戦闘チェインの間、格納庫の防御リアクションをプレイできない。
- 《Remorseless》がヒットしたとき、次のターンの間、対戦相手はアクションカードをプレイするたびに1点のライフを失う。
1コストで5点というパワーは平均的と言えますが、ヒットしたときの能力が非常に強力で、相手によって効果に差はあるものの、追加の2~3点程度は簡単にライフを削ってくれます。1コスト7~8点の攻撃と考えると破格の性能です。
また、1つ目の能力は少し地味ではあるものの、《秘匿のエース、アザレア》自身の能力と相性がいいです。デッキの一番上からこのカードを格納庫に置くことができたなら「圧倒」と合わさって防御が困難になります。《デス・ディーラー》で格納庫に置いても効果はありますが、できれば《秘匿のエース、アザレア》の能力を活かして使いたいところです。
《Premeditate》
《Premeditate》は汎用アクションカードで、次に格納庫から攻撃・アクションカードをプレイしたときそのパワーを3点強化し、かつその攻撃がヒットしたとき《Ponder》トークンを生み出します。
基本的に格納庫から「矢」で攻撃を行うレンジャークラスの《秘匿のエース、アザレア》にとって、格納庫からの攻撃しか強化できないという制限はあってないようなもの。むしろ、後述の《Ponder》トークンを作成する能力を含めて、書かれていることの全てが《秘匿のエース、アザレア》の戦略と噛み合っていると言えるでしょう。
《Ponder》トークンによって引いたカードは格納庫にすぐに置くことができるので、手札を使い切ったターンであっても手札4枚+格納庫1枚という理想的な状態でターンを終えることができます。
《Rain Razors》
ターン中の全ての「矢」にパワー+2点の修正を与えるインスタントです。「矢」カードには強力なヒット時能力を持つカードが多いため、攻撃リアクションカードのように使用することで相手の防御を上回る攻撃を行い、ヒット時の能力を誘発させることができます。
また、このとき《電撃の射撃》などと組み合わせることで0コストで4点分のバリューを発揮することができます。連続攻撃が苦手なレンジャークラスではありますが、このカードを使用したターンはダメージ総量が跳ね上がる可能性があるため、装備品を破壊してでも「矢」の攻撃に続行を持たせて連続攻撃を行いたいところです。
こちらもほとんどの《秘匿のエース、アザレア》デッキで3枚採用されているカードなので、アーモリーデッキを強化する際にはぜひとも採用したいカードです。
《Codex of Frailty》
《Codex of Frailty》は暗殺者とレンジャーの2つのクラスで使用できるアクションカードです。その能力は少しだけ複雑なものの、非常に強力です。
- 各プレイヤーは墓地にある攻撃・アクションカードを格納庫に置く。
- 格納庫にカードを置いたプレイヤーは手札を1枚捨てる。
- 自分は《Ponder》トークンを作成する。
- 対戦相手は《虚弱症》トークンを作成する。
この「墓地から攻撃・アクションカードを格納庫に置く」能力は強制であり、その後手札を1枚捨てる能力も強制です。単純に言い換えれば、任意の手札のカード1枚を墓地にある攻撃・アクションカードと入れ替える(格納庫に置く)という能力とも言えますが、この能力は自分だけでなくお互いのプレイヤーに影響します。
対戦相手にも攻撃・アクションカードを使い回されてしまいますが、その分対戦相手の手札を1枚減らすことができるため防御を困難にさせ、かつ格納庫に防御リアクションがないことを知りながら攻撃を行うことができます。
墓地の攻撃・アクションカードが格納庫に置かれるというのもポイントで、レンジャークラスであれば「矢」を格納庫に置くことでそのまま攻撃に移ることができます。
また、自分にはメリット能力のある《Ponder》トークンを作成し、相手にはデメリットしかない《虚弱症》トークンを作成するというのもオマケと呼ぶには強力すぎる能力です。《秘匿のエース、アザレア》をプレイする際にはなるべく格納庫が空になっている状態でターンを終えることは避けたいので、《Ponder》トークンのドローは重要です。
これだけの性能を持っているのに0コストでプレイできる、まさに強いことしか書かれていないカードです。トーナメントで結果を残している《秘匿のエース、アザレア》デッキのほとんどに3枚採用されています。
(本記事内において、日本語版カードがない製品のカードは英語版のものを掲載しております)