クラシック
以下のクラシックに関する変更は、2024年11月11日 (月) から適用されます。
- 《High Octane》は禁止されます。
- 《祝福への感謝/Count Your Blessings (青) 》は禁止されます。
High Octane
数か月前に更新版のデザインと開発の原則発表した時、私達は連続した極端な優位攻撃を繰り出すカードからゲームを引き離すことに重点を置いていました。フレッシュ&ブラッドでこれを発生させる最も一般的なやり方は、自分自身を別の何かへと変える、特に何枚もカードを引くカードをプレイすることです。
《High Octane》のみでは、連続した優位な攻撃は発生しません。
フレッシュ&ブラッドのゲームシステムに関する自明の理として、ターンサイクル基準でカードの価値の評価基準は、攻撃能力を持つパーマネントがカード1枚当たりの価値の何パーセントであるかということです。カードをプレイするとデッキからカードが消費されていくのに対し、武器の起動は基本的にデッキのカード枚数が維持されていく等、より深いレベルでの考慮事項はありますが、それらを無視して単純な比較を行うと、武器の攻撃はしばしばカード1枚分の価値とほぼ同じ価値をもたらしています。

武器の攻撃がカード1枚の価値とほぼ同じである場合、ターン中にその武器で複数回攻撃できるということは、カードを複数枚引くのと同様の価値をもたらしていると言っても過言ではありません。
「ターン1 (Once per Turn) 」制限のない武器は『秘術の隆盛(Arcane Rising)』で初登場して以来、機械技師クラスのアイデンティティの中心的な存在です。すべての機械技師の武器がこの特徴を持っているわけではありませんが、私たちはこれを気に入っていて、「メカメカしさ」として維持していきたいと考えています。
極端な連続した優位攻撃を抑制するという意図に基づき、10月初めのDev Talk Podcastで示唆していた通り《High Octane》をクラシックから取り除きます。
私達は9月の「理の更新」発表における大規模な変更の一環に《High Octane》を含めませんでした。その理由は、連続した極端な優位攻撃を発生させる核心となるカード、つまりカードを何枚も引くカードに焦点を当てたかったためです。追加の理由として、Sam SutherlandとAllen Lauが世界選手権TOP4の成績を収めた超高出力ダッシュI/Oデッキに見られる強力で刺激的な仕組みの様に、世界選手権で《High Octane》を使用可能なままにしたかったためです。フレッシュ&ブラッドの魅力的な要素の一つには、爆発的で強力なコンボ、特にトッププレイヤーがそういった戦略を発見してプレミアイベントで最適化した姿を見せてくれることであると私達は捉えています。しかし、こういったデッキが素晴らしい活躍を見せた後では、そのデッキに対するバランス調整の精査は一掃厳しくなるでしょう。
祝福への感謝 – コントロールデッキとは何でしょうか?
私の考える広義におけるTCGのコントロールデッキの定義は、対戦相手の脅威を無力化することを戦略的な目標としたデッキです。相手が持つ脅威に対してその影響へのコントロールを確立したとき、ゲーム上の勝利はもはや形式的なものに過ぎなくなります。また追加の条件として、コントロールデッキは長期戦を念頭に置いて構築し、プレイされるものだと考えています。
フレッシュ&ブラッドにおいては、対戦相手の脅威を無力化するとは、通常、対戦相手のデッキ内の脅威となるカードの割合を減少させることで、ライフを0にするのに充分なダメージを与えることができない状態にすることを指します。無力化が完了すると、その後に迎えるゲームの勝利は、単なる形式的なものに過ぎません。
祝福への感謝エニグマは、フレッシュ&ブラッドにおける典型的なコントロールデッキです。このデッキの戦略的目標は、相手の脅威を無力化することです。目標の達成後、相手のライフを0にするのは形式的なものに過ぎず、通常《霊気の盾》トークンの「軍勢」を生み出すことで達成されます。
しかし、このタイプのデッキにはより深い戦略が求められることがあります。例えば、同じコントロールデッキとミラーマッチしたときや、圧力や妨害が無いときにゲームへ決定打を与えるコンボを行うコンボデッキと対戦するとき、ゲームプランを柔軟に切り替える必要があります。
デザインの観点から見ると、《祝福への感謝》はフレッシュ&ブラッドにおいてコントロールデッキのあるべき姿を示す優れた例です。このデッキは対戦相手の脅威を無力化することを目指し、ゲームが長引くにつれて強化されていくことで長期戦の恩恵を得られるようになっています。また、防御に使用できないカードを多く積むことによるデメリットとして、ヒット誘発に対して弱くなっています。つまり、トレードオフの側面も持っています。
根本的的には、問題は《祝福への感謝》ではないと考えています。何が問題かというと、これほど強力なコントロールデッキと対峙したとき、プレイヤーが対抗するための手段が不足していることです。
つまり、現在のカードプールがまだ狭いため、または主な対抗手段が《祝福への感謝》を使うプレイヤーに簡単に対策されてしまうためです。例えば、《Poison the Well》は一見すると《祝福への感謝》に対して効果的な対策カードに見えますが、実際には《オアシスでの休憩/Oasis Respite》や《先祖への敬意/Homage to Ancestors》、ライフで受ける、そしてそれほど効果的ではないものの《癒しの印/Sigil of Solace》等のカードでカウンターするのは非常に簡単です。特にTOP8以降はデッキリスト公開制のプレミアイベントではこれが顕著に現れます。
2024年のデザインと開発において、私が推進してきたことの一つは、特定のカードタイプ、ゾーン、ゲーム状態に直接作用するカードをさらに印刷することです。簡単に言うと、プレイヤーがデッキを組む際のカードの選択において、様々なメタゲームに対応できるよう、より多くの選択肢を持っていることを目指しています。デザイン後、印刷されたカードがプレイヤーの元に届くまでには通常9ヶ月~15ヶ月掛かるため、この意図したデザインを確認できるのは『混転の餌食(The Hunted)』が最初となります。その後、2025年を通して更に多くのセットがこれに続いていきます。《鋸歯の刃/Jagged Edge》は『混転の餌食(The Hunted)』で既に公開された例の一つです。
以上を踏まえ、プレイヤーへと《祝福への感謝》コントロールと対峙可能な充分なカードプールが提供できるまで、このアーキタイプの強さの上限を低くするために《祝福への感謝 (青) 》はクラシックから除外されます。将来的にクラシックへと戻す可能性は充分に高いため、12月アーモリーキットに含まれる拡張版《祝福への感謝》プロモカードを保管することをお勧めします。また、《祝福への感謝》はリビングレジェンドフォーマットでは使用可能であり、非常に重要であることを忘れないでください。
ブリッツ
以下のブリッツに関する変更は、2024年11月11日(月)から適用されます。
- ゼンは今やリビングレジェンドではなくなりました。
- 《Belittle》は禁止されます。
- 《Hadron Collider》は禁止されます。
ゼン
大阪のキーノートで発表されたように、ブリッツにおけるリビングレジェンドの基準はクラシックと同様1000ポイントになります (ブリッツは以前まで500ポイント) 。ブリッツリーダーボードのすべてのヒーローのポイントは2倍になります – ゼンを除いて。彼は公式のブリッツトーナメントに帰還します。詳細はキーノート ビデオをご覧ください。
Belittle
ゼンの帰還に伴い、《Belittle》は当面の間、禁止リスト入りします。先鋒戦シーズン10の結果をレビューした後、次回の禁止制限告知で《Belittle》を再びブリッツフォーマットへ戻すことを検討します。しかし今の段階では、ゼンを穏やかに闘技場へ帰還させたいと考えています。
Hadron Collider
皆さんは驚いたかもしれません。今日まで《Hadron Collider》は控え目なカードパワーの、ドラフト向けのカードでした。
アーモリーデッキ「ダッシュ」の発売により、データ・ドールは新たに2枚のSIPSIP (Start in Play, Stay in Play:場で始まり場に残る) 装備品を手に入れました。これにより、彼女の能力でデッキの一番上を攻撃的な要素へ変換するギミックが大きく強化されました。遂にデータ・ドールがトーナメントで活躍する領域に到達したことを嬉しく思っていますが、その強みが不健全な形で表出するのを避けたいと考えています。《Hadron Collider》はダメージに変換できるアイテムであり、データ・ドールにおいてその様なアイテムの枚数を増やす役割を果たし、ゲームの決着を3ターン以内に決める安定性と回数を増やしています。これは少ないライフで始まるブリッツフォーマットにとって許容できる範囲を超えています。
この禁止措置によって私達が目指しているパワーレベルに収まったかどうかを確認するため、先鋒戦シーズン10ではデータ・ドールを注意深く監視する予定です。
リビングレジェンド
以下のリビングレジェンドに関する変更は、2024年11月11日 (月) から適用されます。
- 《関門の解放/Open the Floodgates》は制限されます。
- 《Star Struck》は制限解除されます。
関門の解放
フルパワーのケイノデッキは、クラシック構築には存在していない「2枚引く」系のカードと共に、《関門の解放》を最大9枚投入していて、世界選手権:大阪と同時開催されたバトルハーデンで優勝したPeter Buddensiekのデッキリストにも見られるように、このフォーマットのトップへと躍り出ています。リビングレジェンドはこのゲームで最もパワフルなアクションを行うフォーマットではありますが、これほどのドロー力を持つケイノは、ゲームを余りにも早く、安定して終わらせてしまいます。そのため、《関門の解放》は1枚制限となります。
《関門の解放》が印刷される前から、ケイノはリビングレジェンドフォーマットのトップを争っていました。それは7月にプロツアー:アムステルダムと同時開催されたバトルハーデン優勝:Alexander Voreのデッキからもその実力が伺えます。従って、今回の制限後もケイノが引き続きこのフォーマットのトップデッキに位置すると予想しています。
《Star Struck》
このフォーマットは開始後1年で進化し続けています。スターボが栄華を極めていた時から大きく変遷しました。今となっては、ブラーボが完全な形の《Star Struck》を手にすることに問題はないと感じています。
コモナー
以下のコモナーに関する変更は、2024年11月11日 (月) から適用されます。
- 《エーテルの鉄織物/Aether Ironweave》は禁止されます。
チェインは過去数シーズンに渡って、コモナーゴールドフォイルイベントで圧倒的な成績を残してきました。《エーテルの鉄織物》はチェインの連続した優位攻撃の重要な起爆剤であり、コモナーフォーマットの胴スロットにおいて最大の価値を提供しています。しかし、これが無くてもチェインはトップに経ち続けるでしょう。そのため、チェインと他のヒーローのとの差を小さくする目的で、コモナーで《エーテルの鉄織物》を禁止します。
次回の禁止制限告知の発表予定
次の禁止制限告知の発表は2024年12月16日 (月) を予定しています。