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Rules Reprise:『蒼海の秘宝(High Seas)』構築

『蒼海の秘宝(High Seas)』の冒険が台北の海を越えて世界中へ向かう中、皆さんがプレリリースや発売記念の週末や国別選手権シーズンで遭遇するかもしれない危機を垣間見ていただくため、ルールチームが戻ってきました。構築戦の海原で巻き起こるであろうルールの相互関係に関するより詳しいルールを、Niccolo PaqueoとJoshua Scottが皆さんにお届けします。これで皆さんの船も、輝かしい勝利というお宝に向けて安全に帆を掲げることができるでしょう!


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『蒼海の秘宝(High Seas)』固有の相互関係

《豪快なコック、チャウダー》の能力でチャウダーはライフを回復しますか?

いいえ。この能力の解決時、《豪快なコック、チャウダー》を起動したプレイヤーが《豪快なコック、チャウダー》の効果でライフを得ます。「1ライフを得る」といった効果が適用されるのはヒーロー/プレイヤーであって、盟友ではありません。

《波止場の交易所》を手札にカードが無い状態でプレイしたら、カードを引けますか?

はい、カードを引きます。カードの処理は常に順番に実行します。最初にあなたはカードを捨てようとしますが、それができないため、その効果は失敗します。その後、効果はカードを捨てたことを条件としていないため、あなたはカードを引きます。最後に、あなたは黄のカードを捨てなかったので、「金貨」トークンは作成されません。

デッキにカードが無い状態で《グレイビィ・ボーンズ》の能力を起動したら、カードを捨てますか?

はい、カードを捨てます。カードの処理は常に順番に実行します。最初にあなたはカードを引こうとしますが、それができないため、その効果は失敗します。その後、あなたは手札のカードを1枚捨てます。これは捨てる効果はカードを引いたことを条件としていないためです。

相手が《陽気な副船長、チャム》を2体起動した場合、私は攻撃することができますか?

はい、どちらかの《陽気な副船長、チャム》を攻撃できます。

《陽気な副船長、チャム》の起動能力は相手に対し、《陽気な副船長、チャム》を攻撃対象とする要求を作成します。《陽気な副船長、チャム》が2体いる場合、両方が同一の制限要求を与えますが、あなたの攻撃を防いでいるわけではありません。要求は可能なら満たす必要があり、両方を同時に満たせない場合は一方を満たすだけで十分です。

《逆棘の弾幕》はどのように機能しますか? (特に光彩や結界を持つ盟友に対して)

《逆棘の弾幕》はフレッシュ&ブラッドにおける、複数の攻撃対象を宣言できる最新の攻撃です。攻撃対象をヒーローに限定している《Apocalypse Automaton》とは異なり、《逆棘の弾幕》は任意の対象を攻撃でき、その関係で興味深い相互作用が発生します。

《逆棘の弾幕》で攻撃する際に、相手がコントロールするオブジェクトに可能な限り攻撃対象とする必要があるもの(《Arc Light Sentinel》《陽気な副船長、チャム》等)がある場合、攻撃対象のうち1つはそのようなオブジェクトである必要があります。

攻撃のすべての攻撃対象は別々でなければならない点に注意してください。相手があなたに対して《陽気な副船長、チャム》を起動して解決した場合、《逆棘の弾幕》の攻撃対象のうち1つは《陽気な副船長、チャム》である必要があります。一方で、追加の攻撃対象は対戦相手にできます。闘技場に《陽気な副船長、チャム》が2体いる状況の場合、《逆棘の弾幕》の攻撃対象の1つは一方の《陽気な副船長、チャム》で、もう1つの攻撃対象はもう一方の《陽気な副船長、チャム》になります。

《逆棘の弾幕》で複数の対象に攻撃し、そのうち1つのオブジェクトが光彩を持つ(《Arc Light Sentinel》《白銀の煌めき》等)場合、光彩が誘発し、解決時にその発生源を破壊することになります。ただし、光彩の効果そのものにより戦闘チェインが閉じることはありません。この変更は本製品の発売日の時点で適用になり、後に掲載される「Back Alley Oracle」の記事でより詳しく解説される予定です。

これまで同様、適正な攻撃対象が残っていない場合は戦闘チェインは閉じます。このルールは変更されません。例えば、《逆棘の弾幕》が光彩を持つ2つの別々のオブジェクトを攻撃した場合、両方が破壊され、《逆棘の弾幕》は適正な対象がなくなることになります。

最後に、《逆棘の弾幕》で攻撃し、ダメージステップの最初の時点でヒーローと盟友にダメージを与える時点でその盟友が結界を持っている場合、盟友はダメージで自動的に死亡するわけではありません。通常、自身のライフ以上のダメージを負っている盟友は、ゲーム状況処理をチェックするまでは死亡しません。一方で、このシナリオ中では、このダメージステップ中に攻撃によるダメージがすべて与えられるまでは、ゲーム状況処理は実行されません。この盟友は(ヒーローがダメージを受ける段階で)結界効果の一部により破壊され、ヒーローに与えられるダメージの点数を減らします。

タイラーはニックを《逆棘の弾幕》で攻撃し、追加の対象としてニックの《Bellona, Archangel of War》を宣言しました。ニックはこの攻撃を防御しません。ダメージステップ中、タイラーはまず《逆棘の弾幕》の5パワーのダメージを《Bellona, Archangel of War》に与え、次にタイラーは《逆棘の弾幕》の5パワーのダメージをニックに与えます。この時点ではまだゲーム状況処理がチェックされていないため《Bellona, Archangel of War》が残っていて、《Bellona, Archangel of War》の結界能力により《Bellona, Archangel of War》は破壊され、タイラーに与えられるダメージは1点に減ります。

凌駕を持っている《逆棘の弾幕》が2人の別々のヒーローを攻撃している場合、各ヒーローはそれぞれアクションカード1枚で防御できますか?

はい。凌駕を持っている《逆棘の弾幕》が複数の対象を攻撃している場合、各プレイヤーは《逆棘の弾幕》のチェインリンクにアクションカードを1枚のみ防御カードとして加えることができます。

ヒーローは各自が自身の一連の防御カードを宣言する機会を持ちます。凌駕や圧倒等を持つ攻撃が複数の対象に対して行われる場合、各防御プレイヤーは他の防御プレイヤーが何を宣言したかに関係なく防御カードを宣言できます。

アルティメット・ピットファイトのゲームで、タイラーは《火薬猿》を解決し、その後《逆棘の弾幕》でニックとサムを攻撃しました。時計回り順で先のニックは防御カードを宣言し、防御カードとして《闇金鮫》をチェインリンクに加えました。次にサムが自身のアクションカードを防御カードとして宣言し加える機会を得ます。

ある効果やコストにより自分がコントロールする歯車をタップするよう指示がある場合、カード名に「歯車」を含む何かをタップできますか?

いいえ。効果やコストによりあなたがコントロールする歯車をタップやアンタップする必要がある場合、それは歯車のサブタイプを持つ、あなたがコントロールするオブジェクトをタップやアンタップする必要があります。カード名の一部が一致するだけでは認められません。

さらに、タップ状態になることができるのは闘技場のパーマネントだけです。攻撃アクションカードがパーマネントになることはありません。

天使やドラゴンを《ミダスの金蝕》で破壊した場合、そのコントローラーは「金貨」トークンを得ますか?

(現状の天使やドラゴンでは)いいえ。盟友のコストは、(あるばら)そのカードの右上の隅に示されています。『蒼海の秘宝(High Seas)』より前の盟友は、根源(Figment)や召喚(Invocation)の裏側や他のカードにより作成されるトークンで、その右上隅にはコストがありません。そのため、《ミダスの金蝕》はその盟友を破壊し、その盟友のコントローラーは「金貨」トークンを作成する事はありません。

《スティッキィ・フィンガーズ》が光彩を持つオーラを攻撃した場合、それは非装備状態になりますか?

いいえ。《スティッキィ・フィンガーズ》はタップ状態になりますが、(それまで装備されていたなら)装備状態のままです。

光彩の誘発効果が解決されたとき、光彩を持つオブジェクトは破壊されます。これにより適正な攻撃対象が無くなるため、戦闘チェインを閉じる処理が開始されます。戦闘チェインを閉じる一部として、攻撃側のレイヤーはスタックから取り除かれ、その攻撃も《スティッキィ・フィンガーズ》を非装備状態にする条件型効果も解決されません。

《秘術協議会》により《燃え盛るエーテル》が与えるダメージは0になりますか?

いいえ。Xの値を決定することは値の増加ではなく、《秘術協議会》の効果はその値を決定することを止めません。

《燃え盛るエーテル》に関して言えば、これは秘術ダメージをX点与える効果を持ち、Xはこのターンにそのヒーローに与えた秘儀ダメージの点数により定義されます。この効果はスタック上の《燃え盛るエーテル》を解決する時点で単にXの値を決定する効果であり、なんらかのそれ以前の値を増加するものとはみなされず、《秘術協議会》の継続効果により止められる事はありません。

《秘術協議会》はカード基準の強化系置換効果(《Absorb in Aether》や《エーテルの猛火》等)やイベント基準の強化系置換効果 (増幅等) のような秘術ダメージを増加させる効果の適用を防ぎます。

《裏通りの禁忌破り》が自分のデッキにあるときに破壊された場合、アクションポイントを得ますか?

(他の条件を満たしている限り) はい、得ます。起動能力やアクションカードにより破壊効果が生み出され、あなたのアクションフェイズ中にデッキの一番上のカードが破壊され、その破壊されたカードが《裏通りの禁忌破り》である場合、その誘発効果が解決されたときにアクションポイントを1点得ます。

現在があなたのアクションフェイズ中でない、またはこの効果が起動能力やアクションカードによるものでない場合、アクションポイントは得ません。

盟友で攻撃している間、《防波の流底》 (攻撃リアクション) を起動できますか?

はい。『蒼海の秘宝(High Seas)』の発売と共に更新されるルールで、リアクションステップ中、攻撃のコントローラーが攻撃リアクションをプレイや起動できるルールへ変更されます。

これまでは戦闘のリアクションステップ中に攻撃リアクションが起動できるのは、ヒーローが (通常は武器の攻撃の起動や攻撃・アクションカードをプレイすることで) 攻撃ヒーローになっている必要がありました。

『蒼海の秘宝(High Seas)』からこのルールが変更されます。以下がメインの変更点です。

  • 我々は攻撃リアクションを起動やプレイする能力を攻撃をコントロールしているプレイヤーまで広げ、盟友の攻撃に影響する攻撃リアクション (《防波の流底》等) を起動できるようにしました。
  • 盟友の攻撃中に攻撃リアクションを起動しても、ターンプレイヤーが攻撃ヒーローになるわけではありません。
  • 一方、対戦相手は変更はありません。相手は防御ヒーローでないなら防御リアクションをプレイや起動できません。

このルールの変更とその影響については、今後掲載になる「Back Alley Oracle」の記事で触れる予定で、その後に総合ルールのプレビューが発表になります。

その他の相互関係

《苦悶の束縛》は分割カードに対しどう機能しますか?

《苦悶の束縛》の誘発効果はあなたがヒットしたヒーローの手札を見てカードを1枚選ぶことを要求します。その後、あなたはそのヒーローの手札とデッキと墓地を見て、選んだカードと同じカード名を持つカードを3枚まで追放します。

相手の手札の分割カードを選んだ場合、手札やデッキや墓地から追放できるカードは選んだカードのカード名のセットと完全に同じセットを共有するカードだけです。選んだ分割カードの一方のカード名のみを共有するカードを追放することはできません。

タイラーはニックに《苦悶の束縛》をヒットさせ、その効果を誘発させました。タイラーはニックの手札を見て《虚空/ショック》を選びました。タイラーはニックのデッキと墓地と手札を見て、その結果《虚空/ショック》を2枚と《彗星の嵐/ショック》を3枚見つけました。選んだ《虚空/ショック》と《彗星の嵐/ショック》は同じカード名の「ショック」を持ちますが、もう一方の名前が異なるため、これは完全に一致するものではなく、従って追放できません。タイラーはカード名のセットが完全に一致する2枚の《虚空/ショック》を追放することにしました。

「投げた」《死の接吻》は《傷口に塩》の数に数えますか?

はい。短剣を効果により「投げた」 (《短刀の妙技》《強靭な投擲》等) 場合、その効果の一部によりその短剣がヒットしたことが示されています。《傷口に塩》は単純にこのターンにヒットしていた攻撃オブジェクトの数を数えます。《死の接吻》は短剣のサブタイプを持つオブジェクトで、プレイ時にそのカード自体が攻撃であるとみなされます(他の武器が攻撃プロキシを作成するのとは異なります)。それを「投げた」場合、それはヒットした攻撃である条件を満たし、《傷口に塩》のパワーを+1します。

《死の接吻》がすでにヒットしていて、その後にそれを投げて再びヒットした場合、このカードによって増加する《傷口に塩》のパワーは+1のみです。これは《傷口に塩》が見ているのはヒットした攻撃の数であり、攻撃がヒットした回数ではないためです (この違いが重要です)。

また重要な点として、チェインリンクにすでにある《死の接吻》が完全に防御されていたとして、その後それを「投げた」としても、遡って元の《死の接吻》の攻撃とそのチェインリンク自体がヒットしたことにはならない点に注意してください。

タイラーはニックを《死の接吻》で攻撃し (そしてヒットせず) 、その後に《Infiltrate》をヒットさせました。タイラーは《Infiltrate》の誘発効果を解決し、ニックのデッキの一番上の《傷口に塩》を追放し、それで攻撃しました。リアクションステップ中、タイラーは《短刀の妙技》の起動能力を起動して解決し、以前のチェインリンクの《死の接吻》を短刀のオブジェクトとして対象にしました。その結果《死の接吻》はヒットし、そのヒット効果を誘発させました。そしてそれは攻撃オブジェクトでもあるため、《傷口に塩》のパワーはさらに+1され、この戦闘チェインにヒットが合計で2つあるため、《傷口に塩》は+2されます。

今回のRules Reprisalは以上です、今回の潮流が国別選手権やそれ以降に向けてレイスにもたらした、いくつかのルール変更については今後のBack Alley Oracleで触れていきます。そちらをお待ちください。