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Rules Reprise #22:『ロゼッタ(Rosetta)』リミテッド

まもなく『ロゼッタ(Rosetta)』の発売です! ルールマネージャーのJoshua ScottとNiccolo Paqueoが、『ロゼッタ(Rosetta)』リミテッドフォーマットをプレイするときに遭遇するであろうエキサイティングな変更点と相互作用について説明します。


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要点

  • 《アリアの聖域》 は、すべてのプレイヤーが『ロゼッタ(Rosetta)』のリミテッドで使用する「マクロ」です。
  • 「腐解」は合計3枚のカードを追放する必要があります。
  • 「融合」されたカードの「続行」が解決されるのは、その「融合」カードがスタック上で2回目に解決するときです。
  • オーラパーマネントは闘技場にあるオーラを指します。スタック上のオーラカードとオーラタイプを持つ防御中のカードは、オーラパーマネントとはみなされず、《忘却への爆破》などの効果の対象にはできません。
  • 《ヴァーダンス》は、{h}を得る指示があるたびに誘発します。たとえば、「2{h}を得る。」の場合、《ヴァーダンス》の能力は1回のみ誘発します。「1{h}を得る。1{h}を得る。」の場合、《ヴァーダンス》の能力は2回誘発します。
  • 《フローリアン》の置換効果は、トークンを作成する指示があるたびに、追加のトークンを1つ作成します。たとえば、「ルーン陣トークンを2つ作成する。」は、「ルーン陣トークンを3つ作成する。」に修正されます。「ルーン陣トークンを1つ作成する。ルーン陣トークンを1つ作成する。」は、「ルーン陣トークンを2つ作成する。ルーン陣トークンを2つ作成する。」に《フローリアン》の効果によって修正されます。
  • 《華麗な踊り》のようなインスタントタイプの能力を持つカードは、《オシリオ》の起動コストを支払うために捨てることはできません。
  • 解決ステップにインスタントカードをプレイすることにより、 《快電の突撃》は続行を得ることができます。

《アリアの聖域》と「マクロ」とは何ですか?

『ロゼッタ(Rosetta)』でお披露目する「マクロ」は、 フレッシュ&ブラッドのリミテッド体験 (ブースタードラフト、シールド、 ブリッツ構築済みフォーマット) における重要な要素です。

『ロゼッタ(Rosetta)』のときにのみ、プレイヤーは《アリアの聖域》の力を使うことができます。これはカードプールの一部とはみなされず、ゲーム開始時にデッキゾーンに置かれません。『ロゼッタ(Rosetta)』リミテッドフォーマットでゲームを開始する際に、各プレイヤーはヒーローを公開する前に《アリアの聖域》 を闘技場に配置します。

《アリアの聖域》は本セットのリミテッド体験に欠かせない要素であり、プレイヤーは常にそれが置かれた状態でゲームを開始することを覚えておかなくてはいけません。ゲーム開始時に《アリアの聖域》を自分側の闘技場に置くのを忘れていたことに気づいた場合は、その時点で《アリアの聖域》を自分側に置くことになります。これを行う前に必ずジャッジを呼んで、指示に従ってください。

TylerとNicは、《フローリアン》と《ヴァーダンス》のブリッツ構築済みデッキを使用してゲームを開始します。これは『ロゼッタ(Rosetta)』のリミテッドフォーマットであるため、それぞれが闘技場の自分側に《アリアの聖域》マクロを配置します。

《アリアの聖域》のようなマクロは、そのほかのさまざまな効果の関係上、カード (またはトークン) とはみなされません。たとえば、「カードを1枚破壊する」ことを要求する効果を使用したときにマクロを破壊することはできません。ただし、これらのマクロにはゲームと相互作用する能力や効果があり、適切なタイミングで使用すれば大きな影響を与えることができます。

《アリアの聖域》の能力を起動してリソースを2つ支払うと、このターン、選んだ発生源から次に与えられるダメージを1点軽減する効果を生成することができます (『反乱(Uprising)』の《Helio’s Mitre》に似ています)。コストを支払うことができれば、これを何度でも起動できます。ただし、あなたが起動したターンの終了時にあなたは《アリアの聖域》を破壊します。そうした場合、それは単にゲームから取り除かれて存在しなくなります。

Tylerは自分のターンに《彗星の嵐//ショック》を「融合」でプレイし、《彗星の嵐》と《ショック》の両方の効果でNicを対象に取りました。Nicは《アリアの聖域》を起動して解決しました。「融合」した《彗星の嵐//ショック》のレイヤーの1回目の解決で、《ショック》の能力が最初に解決されて秘術ダメージを1点与えようとしますが、Nicの《アリアの聖域》の効果によって防がれます。Tylerは再び優先権を得てパスしますが、Nicは再び《アリアの聖域》を起動して解決しました。「融合」した《彗星の嵐//ショック》のレイヤーの2回目の解決が行われ、《彗星の嵐》がNicに秘術ダメージを5点与える能力が解決されますが、《アリアの聖域》によって軽減され、秘術ダメージは4点になります。Tylerはターンを終了し、Nicは《アリアの聖域》を破壊してゲームから取り除きます。

『ロゼッタ(Rosetta)』の《アリアの聖域》は、「マクロ」がフレッシュ&ブラッドのリミテッドゲーム体験をどのように形作っていくかを示す序章にすぎません。今後のセットには、リミテッドフォーマットに新しくてエキサイティングな楽しみ方をもたらす、独自の「マクロ」が収録されているかもしれません。

「腐解」はどのように機能しますか?

《絡み根の外殻》のようなカードの能力や、《夏の落日》の誘発効果のような「腐解」能力を解決するとき、墓地から大地カード2枚とアクションカード1枚の合計3枚のカードを選んで追放することができます。これらのカードを追放すると、《フローリアン》や《ヴァーダンス》といったヒーローカードの能力など、ほかの効果が有効な状態になることがあります。

大地カードはアクションカードである場合があり、アクションカードは大地カードである場合があります。大地アクションカードを追放した場合、追放する2枚の大地カードのうちの1枚、もしくは追放する1枚のアクションカードのいずれかとしてカウントします。両方にカウントするわけではありません。つまり、合計3枚のカードを追放する必要があるということです。

また、あなたが追放するかどうかを選択するのはスタック上のレイヤーが解決されるときであり、追放するか選択する、追放、そのほかの効果を解決する、これらの間に優先権が発生しないことも重要なので覚えておいてください。詳細は今後説明します!

Tylerは《ヴァーダンス》としてプレイしており、追放ゾーンに大地カードが1枚あります。TylerはNicを《腐敗に咲く花 (赤) 》で攻撃し、効果が誘発します。《腐敗に咲く花》の誘発効果の解決時に、《ヴァーダンス》は墓地から合計3枚の大地アクションカードを追放します。これにより、大地カードが追放ゾーンに4枚となり《ヴァーダンス》はヒーローカードの誘発能力を得ます。《腐敗に咲く花》の誘発効果の残りが解決され、《ヴァーダンス》は1{h}を得ます。これにより、《ヴァーダンス》の新たに有効となった能力が誘発し、TylerはNicを1点の秘術ダメージの対象に取ります。

「融合」されたカードが「続行」を持つ場合、アクションポイントはいつ獲得できますか?

元から「続行」を持つか、効果から「続行」を得た「融合」されたカードはレイヤーの2回目の解決時にアクションポイントを得ます。得られるのは解決したのがコントローラーのターンであった場合のみです。

「融合」されたカードが効果から能力を得る場合、追加された能力は「融合」したカードのレイヤーがスタック上で 2回目に解決するときにその効果を生成します。分割カードの左側の能力が効果を生成するのと同じタイミングです。

ただし、注意が必要です。「続行」を持つ「融合」されたカードがスタック上で 2回目に解決される前に「否定」された場合、「融合」されたカードのレイヤーが能力ごとスタックから取り除かれ解決されなくなるため、「続行」は適用されず、アクションポイントを得ることもできません。「融合」されたカードがすでにスタックで1回解決されていて、2回目の解決前に「否定」された場合も同様です。

Tylerは自分のターンに《燃焼//ショック》をプレイし、カードを「融合」して《ショック》の効果でNicを対象に取ります。両プレイヤーは優先権をパスし、「融合」された《燃焼//ショック》のレイヤーの1回目が解決し、 《ショック》の効果でNicに秘術ダメージ1を与えます。

Tylerは再び優先権を得て、放棄しました。Nicは「融合」した《虚空 // ショック》をプレイし、《ショック》の効果でTylerを対象とし、 《虚空》の効果で「融合」された《燃焼//ショック》カードを対象に取りました。両プレイヤーはターンの残りの間、優先権を放棄します。Nicの融合した《虚空 // ショック》の1回目の解決が行われ、Tylerに1点の秘術ダメージを与えます。その後、Nicの「融合」された《虚空 // ショック》の2回目の解決が行われ、《燃焼//ショック》を「否定」し、カードとそのレイヤーをスタックから取り除きます。その結果、《燃焼//ショック》は2回目の解決が行われなかったため、Tylerはこの「続行」からアクションポイントを得ることができません。

『ロゼッタ(Rosetta)』におけるオーラ

『ロゼッタ(Rosetta)』では、プレイヤーは今までよりも自由自在にオーラをプレイすることができます。 『ロゼッタ(Rosetta)』の何枚かのカードは、テキスト効果の一部としてオーラパーマネントを参照します。これは少し理解が難しいものがあります。

ここで復習ですが、オーラパーマネントは基本的に、スタック上での解決または効果によって闘技場に出た、オーラのサブタイプを持つカードです。スタック上で解決を待っているオーラカードや、チェインリンク上の防御しているカードは、オーラパーマネントとはみなされません。

これは重要な違いなので、強調しておきたいと思います。それでは『ロゼッタ(Rosetta)』のオーラパーマネントに関する、複雑な相互作用について確認していきましょう。

《忘却への爆破》で攻撃し、手札からインスタントタイプの「印」をプレイした場合、誘発効果を使用でそれを手札に戻すことはできますか?

いいえ、《忘却への爆破》の誘発効果を誘発させるためにプレイしたインスタントタイプの「印」を戻すことはできません。その「印」は効果の適正な対象ではないためです。

《忘却への爆破》で攻撃したとき、そのチェインリンクで次にインスタントカードをプレイしたときに誘発する誘発効果を作成します。インスタントタイプの「印」を手札からプレイしてスタック上に追加すると、《忘却への爆破》の誘発効果が誘発し、その時点でオーラパーマネントまたはオーラトークンを対象に取る必要があります。

インスタントタイプの「印」カードはスタック上にあるため、《忘却への爆破》での誘発効果の対象にはなりません。

Tylerは《忘却への爆破 (黄) 》 で攻撃し、遅延誘発効果を生成します。Nicは《大地の印》で攻撃を防御します。リアクションステップで、Tylerは《光輝の印》を手札からプレイし、それが《忘却への破裂》の遅延誘発効果を誘発させます。 《光輝の印》を対象にして手札に戻せば、カードを引く効果が誘発すると考えました。しかし、Tylerは《光輝の印》を対象にすることはできません。それはスタック上にあるオーラカードであり、まだオーラパーマネントではないからです。TylerはNicの防御している《大地の印》も対象にできません。それはオーラタイプを持つ防御カードにすぎず、オーラパーマネントではないからです。対象に取ることができるオーラパーマネントもオーラトークンも存在しないため、《忘却への破裂》の誘発効果は存在しなくなり、スタックに追加されません。

《フィエンダルの印》で防御した場合、戦闘チェインが終了したときに効果は誘発しますか?

いいえ。『ロゼッタ(Rosetta)』のほとんどの「印」カードには、「印」が闘技場を離れたときに誘発する能力があります。これらの能力は、「印」が闘技場にありパーマネントであるときに機能し、有効になりますが、防御中はそうではありません。一般的に、防御しているカードの能力は、そう書かれていない限り機能しません (例:「これが防御している間~」、「これが防御した場合~」など) 。つまり、戦闘チェインが閉じたときに取り除かれた場合、これは誘発しません。

Tylerは《聖なる爪 (赤) 》でNicを攻撃しました。Nicは手札から《フィエンダルの印》で防御し、Tylerは戦闘チェインを閉じました。Nicは戦闘チェインから《フィエンダルの印》を取り除きますが、その能力で1{h}を得ることはできません。

ライフを得たとき、《ヴァーダンス》の能力はどのように機能しますか?

追放ゾーンに十分な枚数の大地カードがある場合、自身のターン中にそのプレイヤーが{h}を得るたびに、《ヴァーダンス》の能力が誘発します。それらの誘発効果が解決するたびに、 1点の秘術ダメージを与えます。ただし、すべての{h}を得る効果が同じように作られているわけではないので、それらを見ていきましょう。

《キャンドルホールドの鼓動》を解決した場合、1{h}を得て、その後1{h}を得て、その後1{h}を得ます。これらはライフを得る3回の個別のイベントであるため、《ヴァーダンス》の能力は3回個別に誘発します。これらの誘発効果は、 《キャンドルホールドの鼓動》の解決が終了した後でスタックに追加されます。

それとは逆に、《森の果実》の起動能力を解決した場合、あなたは2{h}を得ることになります。これはライフを得る単一のイベントであり、2つの別のイベントではありません (もしそうであれば、「1{h}を得る。1{h}を得る。」と書かれるでしょう)。この結果、《ヴァーダンス》の能力は 1回のみ誘発し、その誘発効果が解決したときに1点の秘術ダメージを与えます。

Tylerは《ヴァーダンス》としてプレイしており、追放領域に大地カードが4枚あります。《ヴァーダンス》は《キャンドルホールドの鼓動》を解決し、合計3{h}を得ます。《キャンドルキャンドルホールドの鼓動》は「1{h}を得る。1{h}を得る。1{h}を得る。」と書かれているので、《ヴァーダンス》の能力は3回誘発します。 《キャンドルホールドの鼓動》を解決した後、Tylerはそれらの誘発効果をスタックに追加し、各効果でNicを対象に取りました。

両プレイヤーは最初の2つの誘発効果の優先権を放棄し、それぞれ1点の秘術ダメージを与えました。3つ目の誘発効果が解決される前に、Tylerは《秘術の交錯 (青) 》を捨てて、効果を解決し、「増幅1」効果を生成します。両プレイヤーはこの3番目の誘発効果の優先権をパスし、Nicは増幅の置換効果による増加により2点の秘術ダメージを受けます。

オーラトークンを作成したとき、《フローリアン》の能力はどのように機能しますか?

《フローリアン》の能力は、効果によってオーラトークンを作成するたびに追加のトークンが作成されるという置換効果を発生させます。《ヴァーダンス》が『ロゼッタ(Rosetta)』のさまざまな {h}を得る効果の間で異なる相互作用をするのと同じように、《フローリアン》もさまざまなオーラトークンを作成する効果と相互作用します。

たとえば《発芽》のようなカードは、「ルーン陣」か「大地の化身」トークンを1つ作成します。Xの値は《発芽》をプレイした時点で決まり、この手順はX回繰り返されます。これらは個別のオーラトークン作成効果であり、《フローリアン》の置換効果によって修正され、1つ追加でトークンを作成します。

Tylerは《フローリアン》としてプレイしており、追放ゾーンに大地カードが4枚あります。Tylerは《発芽》を解決し、X=2で宣言します。Tylerは最初の「ルーン陣」か「大地の化身」トークンを1つ作成する効果を解決し、「ルーン陣」トークンを作成することにしました。《フローリアン》の効果が有効な状態であるため、Tylerは代わりに2つの「ルーン陣」トークンを作成します。Tylerはこの手順をさらに2回繰り返し、そのたびに「大地の化身」を選択して、合計4つの「大地の化身」トークンを作成します。Tylerは《発芽》を解決した結果として、合計6つのトークンを作成して3{h}を獲得します。

先ほどの例とは違い、指定された数のトークン (0個を除く) を作成する効果を解決する場合、《フローリアン》の効果によってその数に1を加えた数のトークンのみが作成されます。

Tylerは《フローリアン》としてプレイしており、《秘術の呪詛 (黄) 》の誘発効果を解決して2つの「ルーン陣」トークンを作成します。Tylerの追放ゾーンには4枚の大地カードがあるため、代わりに3つの「ルーン陣」トークンを作成することになります。

《オシリオ》で《華麗な踊り》を捨てて、《華麗な踊り》のダメージ軽減効果を得て、カードを引くことはできますか?

いいえ。それぞれコストとして個別にカードを捨てる必要があるため、1枚を捨ててそれを両方のコストとして支払うことはできません。《華麗な踊り》を起動するには、コストの一部としてそれ自体を手札から捨てなければなりません。さらに、 《オシリオ》を起動するには、手札からインスタントタイプのカードを1枚捨てなければなりません。これは、タイプボックスにインスタントタイプが記載されているカードを意味します。《華麗な踊り》のようなインスタントでの起動能力がカード効果テキストに印刷されているカードは対象外です。

Nicは《オシリオ》としてプレイしており、ライフが2残っています。手札には《華麗な踊り (赤) 》のみ持っています。Nicに2点の秘術ダメージを与えてゲームに勝つために、Tylerは《エーテル源の氾濫 (黄) 》をプレイしました。《華麗な踊り》はインスタントカードではないため、Nicは《オシリオ》の能力を起動することはできません。Nicは 《華麗な踊り》のインスタント能力を起動して解決し、起動コストの一部としてそれを捨てて、次に自分に与えられる秘術ダメージを2点分軽減することができます。

ダメージを与えた後、次の攻撃の前にインスタントをプレイして《快電の突撃》で「続行」を得ることはできますか?

はい! 攻撃のダメージステップと解決ステップの後に「続行」がチェックされます。「続行」がチェックされる前にインスタントをプレイするタイミングがあります。そこでインスタントをプレイすれば、 《快電の突撃》は「続行」得て、アクションポイントを生成するのに間に合います。

Tylerはアクションフェイズを開始し、《快電の突撃 (赤) 》でNicを攻撃しました。Nicは防御せず4点のダメージを受けます。解決ステップで、Tylerは《放電 (黄) 》をプレイしました。《放電》はインスタントなので、 《快電の突撃》はその効果により「続行」を得ます。Tylerがチェインリンクの次のステップ (リンクステップ) に進むと、《快電の突撃》の「続行」により1アクションポイントを得ます。

今回のRules Repriseはここまでです。次回は、『ロゼッタ(Rosetta)』がフレッシュ&ブラッドの構築フォーマットに与える影響について探り、『ロゼッタ(Rosetta)』のリリース時に有効になるルールとポリシー文書の変更点について説明します。ぜひ『ロゼッタ(Rosetta)』を楽しんでください!