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たちかぜ インタビュー

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あなたのコレクションの最高の1枚を教えてください。

私のコレクションの中で最高の「宝」は、プリズムのマーベルです。ヒーローコレクションを完成させる最後の1枚であり、思い入れも非常に強いカードです。

このカードを手に入れたのは、プロツアー:ロンドンのとき。購入のチャンスが巡ってきた際には、多くの友人がSNSを通じて応援や情報を送ってくれました。特に、巨大なプリズムのスタチューと一緒に、そのカードを日本まで丁寧に輸送してくれた友人には本当に感謝しています。

プリズムが私の手元に加わった瞬間、それまでの長い旅にひと区切りがついたような気がしました。そして同時に、また新たな旅が始まる予感もありました。プリズムは、終わりと始まりをつなぐ、かけがえのない存在です。


まだ持っていない、いつか手に入れたいカードは何でしょう?

まだ手に入れられていないカードの中で、特に憧れているのはテストプリント版のヒーローカードです。中でも、『蒼海の秘宝(High Seas)』のトレジャーパックから登場したテストプリント版のブラーボはすごく欲しいですね。

実は、そのカードを引き当てた友人がいて、「ブラーボ引いたよ!」とすぐに連絡をくれました。本当に嬉しかった一方で、正直なところ、とても羨ましかったです(笑)。ああいった特別なカードは、引いた瞬間から「その人の物語」になる。だからこそ、いつか自分も手に入れたいと強く願っています。


フレッシュ&ブラッドを集め始めたのは何故ですか?

最初はプレイヤーとしてフレッシュ&ブラッドを始めましたが、ある日初めてコールドフォイルを引いたとき、カードの美しさに一瞬で心を奪われました。縁取りのさりげない輝き、繊細な質感、そして「これは特別なものだ」と感じさせる存在感。その1枚が、コレクターとしての原点になりました。

私は運よく関西に住んでおり、そこには非常に強く情熱のあるプレイヤーたちが多くいました。彼らと毎週のように対戦を重ねるうちに、自然とこの世界にどっぷりとのめり込んでいきました。強くなることだけでなく、ゲームの奥深い美しさを理解し、それを「形」として残したいと思うようになったのです。気づけば、コレクションは私の生活の一部になっていました。


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貴方にとって、TCGコレクションとは何でしょう?

私にとってTCGを集めることは、旅のようなものです。すべては、たった1枚のカードとの出会いから始まり、そのカードはやがて友人との思い出や、勝敗の記憶、様々な感情と結びついていきます。1枚1枚がその断片を記録する「旅のしおり」のような存在になっていきます。

この旅の途中で、美しいアートワークという名の「絶景」に出会ったり、長年探し求めていた「宝物」のようなカードを手に入れたりすることもあります。しかし、この旅には地図も終着点もありません。だからこそ、心惹かれるのです。そして今日もまた、新たなカードとの出会いを楽しみに歩き出す――それが、私にとってのTCGコレクションの本質です。


フレッシュ&ブラッドをコレクションする価値は何だと思いますか?

フレッシュ&ブラッドのカードは、単なるコレクションの対象ではなく、物語と技術が融合した芸術作品だと思っています。コールドフォイルやマーベル仕様のカードは、見た目の美しさだけでなく、ゲームでの役割や背景のストーリーも含めて、それぞれのカードが「語りかけてくる」ような存在です。

さらに、製品そのものに対する信頼感も非常に高いです。限定印刷や再録の制限、そして意図的なプロダクト設計などにより、「今集めているカードの価値が将来的に高まっていく」という安心感があります。

そして何より、プレイヤー目線でも集めがいがあるのが大きな魅力です。カードは自然と大会のメタや思い出深い対戦、個人的な歴史と結びついていきます。気がつけば、コレクションが「自分だけの物語」になっているのです。

フレッシュ&ブラッドは、集めて楽しく、飾って美しく、語って奥深い、そんな稀有なTCGだと思います。


『蒼海の秘宝(High Seas)』の開封はどうでしたか?

『蒼海の秘宝(High Seas)』は、私にとってまさに「冒険」でした。パックを開けるたびに、まるで未知の海に船を出すような感覚で、中にどんな宝が眠っているのかを想像して胸が高鳴りました。他のセットとは明らかに違う、特別な体験でした。トレジャーパックはまさに「宝探し」そのものです。

特に印象に残っているのは、台湾で開催されたワールドプレミアに参加できたこと。世界中のプレイヤーたちと一緒に「最初の波」を体験できたあの時間は、言葉にできないほど特別でした。


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初めて手に入れたコールドフォイルは何ですか?

私が初めて引いたコールドフォイルは《Deep Blue》でした。正直、そのときは少しがっかりして、悔しさからすぐにもう一箱買いに走ったのを覚えています(笑)。

そして、その「リベンジ開封」で出たのが《Flamescale Furnace》のコールドフォイル。これが初めてのレジェンダリコールドフォイルで、その瞬間の高揚感はいまでも鮮明に覚えています。

また、最初に手に入れたヒーローのコールドフォイルはヤング版の《Dash》です。とても強かった友人が使っていたのを見て憧れ、当時はかなり高額だったにもかかわらず思い切って購入しました(今はかなり安くなってしまったが……)。まさかこれが「全ヒーローコールドフォイルコレクション」への第一歩になるとは思っていませんでした。

お気に入りのフレッシュ&ブラッドのセットは何ですか? 理由も教えてください。

コレクションを始めたばかりの頃によく開けていたのは『秘術の隆盛(Arcane Rising)』でした。どのカードも新鮮でワクワクしたのを覚えています。特に、1つのボックスから《Command and Conquer》のノンフォイルとフォイルが両方出たときの衝撃は、今でも忘れられません。それは私にとってコレクターとしての貴重な体験のひとつです。

競技面で印象に残っているのは『暴力の饗宴(Heavy Hitters)』です。ずっとブリッツでカッサイを使っていたので、彼女のアダルト版が発表されたときには思わず声を上げて喜びました。


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好きなフレッシュ&ブラッドのアートは何ですか?

カードそのものではありませんが、『暴力の饗宴(Heavy Hitters)』のボックスに描かれたコンセプトアートが大好きです。カッサイなどのヒーローたちが一堂に会するその構図は、まるで壮絶な戦いの真っただ中にいるような迫力があり、何度見ても心が高鳴ります。

また、プレイマットとして映えるアートワークにも惹かれます。たとえば《Glint the Quicksilver》のように、構図がよく、盤面に命を吹き込んでくれるアートが特に好きです。

フレッシュ&ブラッドのアートは、ただ「飾るため」のものではなく、「使って誇れる」もの。そこにこそ、このゲームのアートの魅力があります。


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