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禁止制限告知

クラシック

以下のクラシックに関する変更は、2025年12月15日 (月) から適用されます。

  • 《Brand with Cinderclaw》は禁止されます。
  • 《蒼海の航海図》は禁止されます。
  • 《円環の糸巻き》(青) は禁止されます。
  • 《円環の糸巻き》(黄) は禁止されます。
  • 《絡み根の外殻》は禁止されます。
  • 《燃え滾る報復》は禁止されます。

先日のDev Talkでも述べた通り、今回の禁止制限告知の段階において、クラシックの環境は非常に健全な状態でした。メタゲームにおける使用率という天では、他よりやや抜けているデッキが3デッキありますが、シンドラ、グレイビィ・ボーンズ、ヴァーダンスのいずれも勝率は許容範囲内であり、また私達が異常と見なすほどの使用率ではありません。この3デッキは数ヶ月にわたり「環境トップの座」を奪い合ってきましたが、その一方で毎週のように挑戦者として新たなヒーローが現れ、最強デッキの座を争ってきました。

バランスの取れたメタゲームを成り行きに任せることもできますし、現状のクラシック構築はそんな状況にあるように思います。今回の禁止制限措置は、そのほとんどにおいて、許容できないほど強力なカードを禁止するものではありません。メタゲームに変化をもたらすため、現在のフォーマットの頂点にいるデッキから何枚かのツールを奪うことを目的としています。フォーマットが変化していくにつれ、これらのカードの全部、または一部が、いずれ使用可能なカードとしてカードプールに戻ってくる可能性が十分ありえることをご理解いただければと思います。とはいえ当面は、国別選手権予選シーズンにおいて、この新しい制約の元で環境がどのように変化していくのかを見るのを楽しみにしたいと思います。

Brand with Cinderclaw、燃え滾る報復

シンドラは登場直後から猛烈な勢いを見せており、クラシックでの活躍が減速したのはほんの一瞬だけでした。フォーマット最強のアグロデッキとしては許容範囲内の勝率を記録しているものの、同じアグロを担う他のヒーローが狙い撃ちされやすい弱点を抱えているため、彼らの存在をしばしば霞ませていることは間違いありません。

『混転の餌食(The Hunted)』の開発中、私達は《Brand with Cinderclaw》をリミテッド環境に再録することを意図的に避けていました。何故ならこのカードがあると、シンドラが竜系にするとボーナスを得られるカードにおいて、容易くその条件を達成できてしまうからです。クラシックから《Brand with Cinderclaw》が取り除かれることで、シンドラは「竜の技」カードを解き放つために、他のやや弱いカードと向き合う必要が出てきます。これにより、シンドラプレイヤーが出せる火力と妨害の両方が現状より抑制されます。

《燃え滾る報復》は今回のリストの中で、一番カードパワーが高いカードと言えるでしょう。伝説であるという制約は、対戦相手に与えられるダメージに対して、満足な回答にはなっていません。むしろ、1枚だけの《燃え滾る報復》が絶好のタイミングでプレイされたゲームは、行く末が決定してしまうように感じられます。このカードが取り除かれることで、シンドラとの対戦体験が大きく改善すると考えています。

蒼海の航海図

《蒼海の航海図》は、グレイビィ・ボーンズが使えるカードの中で間違いなく最強、というわけではありません。プレイヤーの期待を裏切る結果になり、カードを1枚無駄にしただけだと感じることも少なくありません。しかし一回良い結果が出れば、グレイビィ・ボーンズはどんな相手にも打ち勝てるツール一式を手に入れることができます。この「上振れ」力に加え、本来であれば不利なマッチアップを覆す能力が相まることで、相手がデッキをどれだけ対死霊術師用に調整してきても、グレイビィはメタゲームに定着し続けてきました。

今後のセットでは複数のクラスへ、盟友デッキへのマッチアップを補強する強力なツールが用意されています。それらが実際に登場すれば、完璧な「航海図」が複数枚重なることで生じる爆発的な上振れは「乗り越るべき壁」となり、「死刑宣告」ではなくなる可能性が高まります。その段階になれば《蒼海の航海図》がカードプールへ使用可能なカードとして戻ってくる見込みも十分あります。とはいえ、ボーンズ船長による圧倒的な連勝記録が刻まれたことへの敬意を表し、現時点で大きな弱体化を行うことにしました。

円環の糸巻き (青/黄)

《傀儡・アラクニ》に対して現段階で措置を講じるのは、先回りに感じられるかもしれません。ですがデータを精査した結果、傀儡は次にメタゲームの頂点に躍り出るヒーローである可能性が高いだけでなく、すでにトップに立っている可能性すら十分にあることが分かりました。傀儡は、環境の主要な有力ヒーローの大半に対して堅実な相性を持ちますが、メタゲームでの使用率が低い他のヒーローに対しても、目立った弱点が見当たりません。傀儡は毎ゲーム、定番の動きをし、相手について来られるかと問いかけています。そしてこれまでのところ、その答えは「ノー」のようです。

現在の傀儡の主流構築は、執拗なまでのデッキ調整の成果であり、ついに最適解に到達したように見えます。リストは《円環の糸巻き》9枚体制と、フレッシュ&ブラッドにおけるアラクニの「進むも地獄、退くも地獄」的アプローチを最大限に活かす、攻めたコストカーブへと収束しています。毎ゲーム、0コストの《グラフェンの鋏角》生成手段を9枚も持てることが、このようなデッキ構築を可能にしています。私達としては、アラクニには《短刀の妙技》で投げ続けるために、もう少し骨を折ってほしいと考えています。《円環の糸巻き》に色制限を設けることは、この目標の達成に寄与すると考えています。

絡み根の外殻

大地は、フローリアンまたはヴァーダンスという形で現れ、長らくメタゲーム上の脅威として君臨してきました。現時点ではヴァーダンスがキャンドルホールドの火を継いでいるように見えますが、メタゲームが進化していけば、単にフローリアンに追い風は吹いていたことが分かる可能性も十分にあります。私達は、両ヒーローを効果的に弱体化できる禁止措置を見つけたいと考えました。

《絡み根の外殻》は、内部でも常に評価が割れていたカードです。腐解は常に積極的なゲーム進行と結び付いているべきだ、と考える者もいれば、外殻は大地という属性らしさを喚起し、興味深い新しいゲームプレイの方向性を開いた、と考える者もいました。真実は、よくあるように、おそらくその中間にあるのでしょう。《絡み根の外殻》に本質的な問題があるとは感じませんが、様々な状況において大地の目標達成を、はるかに容易なものにしてしまっています。

私達は、外殻がもたらす一貫した腐解手段が存在しない世界を試してみるのに、今は良いタイミングだと考えています。特に『レイス英雄譚(Compendium of Rathe)』の参入により、ヴァーダンスとフローリアンは僅か数ヶ月のうちに、腐解ための新しい手段を得るからです。

シルバーエイジ

この機会に、シルバーエイジファンの皆様に改めてお知らせいたします。現在、シルバーエイジフォーマットは先行アクセス段階にあります。『レイス英雄譚(Compendium of Rathe)』の発売までは、シルバーエイジフォーマットの積極的な管理を開始する予定はありません。この製品の発売後、クラシックと同様のペースでフォーマットの見直しを行う予定です。

次回の禁止制限告知の発表予定

次の禁止制限告知の発表は 2026 年2月2日 (月)を予定しています (アメリカ時間)。