クラシック
以下のクラシックに関する変更は、2025年1月31日 (金) から適用されます。
- 《軽風の針/Zephyr Needle》は禁止されます。
『混転の餌食(The Hunted)』の開発中やその完成後の数ヶ月の間、開発チームはクラシックフォーマットにおいてアイラが最強デッキの一つとなるであろう事を把握していました。このデッキの最強バージョンは数多くの数値に根ざしていて、その数値は明らかに目立っていています。そして、その数値を一番支えているカードが《軽風の針》です。
《軽風の針》は、ほとんどの防御カードに対して針を安全に保てるアイラの能力もあり、ブリッツの初期の時代からアイラデッキにおける主力でした。ただ、《逃げ支度/Up Sticks and Run》の追加により、《軽風の針》の潜在的な弱点はほとんど消されてしまいました。《軽風の針》が投げられた、あるいはそれを無事に防御した後で、そこに再得能力を追加することでターン中にさらに《軽風の針》の攻撃を行うことができることを鑑みると、再得メカニズムと《軽風の針》の組み合わせは共存が望ましくありません。そのような事情もあり、我々はこの状況にどう対応するかを議論しました。
全体的には再得というゲーム体験は良好で、このメカニズムはリミテッドにおける忍者や暗殺者の視界を繋ぐ素晴らしい役割を担っています。我々は短剣の再利用というコンセプトを追求しました。一時期は、再得メカニズムをパワーが1以下の短剣に限定することも検討されました。これは解決策の一つでしたが、そうすると再得メカニズムが長ったらしくなり、低いレアリティのカードに登場させたいメカニズムとして複雑すぎました。また、これにより影響を受けるのが《軽風の針》のみというのも事実で、現在における短剣のアイデンティティはそもそもパワーが1というのが根底にあります。

また、この議論と時を同じくしていたのがゼンの恐怖の時代で、《軽風の針》が最大限に利用されていました。結局の所、《軽風の針》が適正にプレイされている状況を含めてどのような形で入ってきたとしても、フレッシュ&ブラッドのゲームをなんらかの形で悪化させる影響しか持たないという事実を認めざるを得なくなってきました。弱点が ― 短いゲームや新たなメカニズムによって ― 緩和されたとき、《軽風の針》は圧倒的に強力なものとなります。
結論として、《軽風の針》の禁止を決定しましたが、問題はそれをいつ行うかということでした。

我々はこれまでも、プレイヤーには発見の旅を行ってほしいと考えていて、最強デッキを見つけることで報われてほしいと思ってきました。当初の考えではプレイヤーがアイラデッキを調整しその結論にいかに早く行き着くかを見守ろうとしていて、《軽風の針》は3月4日の定期禁止制限告知で行う想定でした。ですが強さランキングや出回っているデッキリストを確認した結果、プレイヤーは想定を超えており我々はスケジュールを早めた方が安全である状況に追いやられることとなりました。
遡って10月、リビングレジェンドのフォーマットを《Kraken’s Aethervein》が一時的に逸脱させてしまった時、我々はプレイヤーが最強デッキを見つけるのがどれだけ早いかという重要な教訓を学ぶこととなりました (https://fabtcg.com/en/articles/banned-and-restricted-announcement-oct02/) 。
このままでは結果として多くのプレイヤーが単純にイベント参加をやめ、『混転の餌食(The Hunted)』の素晴らしい新要素の山に対する熱意が削られてしまうことになるでしょう。この先のクラシックの新鮮さや盛り上がりを考えると、それを《軽風の針》アイラが台無しにしてしまうことは我々の望むところではありません。
フレッシュ&ブラッドにおける多くの禁止と同様、我々はこの決定の後でもアイラには強力な選択肢が残ったままだと考えていますし、決定後に得られる結果を歓迎します。我々は単純に、彼女に同等の立場で戦場に戻ってきてほしいのです。
通常、我々は定期的なスケジュールに従い禁止制限を発表することを望んでいますが、今後はこの制限の発表スケジュールをより短くしていこうという話を社内で議論しています。将来的に、プレリリース時期に禁止制限告知がより多く発表される可能性があります。新たなセットのメカニズムやカードにおける既知の問題点を示すにはプレリリースが良いタイミングでしょう。
ブリッツ
ブリッツのフォーマットにおいてはアイラはすでに禁止されていますし、ただちに対応すべき大きい事情もブリッツには存在しないこともあり、《軽風の針》はさしあたって適正なカードとすることにしました。この決定に関しては、次の禁止制限告知で再検討するつもりです。
次回の禁止制限告知の発表予定
次の禁止制限告知は2025年3月4日 (火) を予定しています (アメリカ時間) 。